1991 Fiscal Year Annual Research Report
食品及び生体における脂質過酸化反応の定量的評価法に関する体系的研究
Project/Area Number |
02453148
|
Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
小城 勝相 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (10108988)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 恵津 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助手 (70214773)
|
Keywords | 脂質過酸化 / マロンジアルデヒド / TBA反応性物質 / ビタミンC / ビタミンE / グルタチオン / 化学発光 / カドミウム |
Research Abstract |
1.脂質過酸化反応の指標として最も信頼できるのは、酸素消費量である。今回、大豆油を170℃及び40℃の二つの条件で酸化した。その際、酸素計を用いて、閉鎖系で酸化反応を行わせることにより、酸素消費量を測定した。同時に、MDAとTBAー反応性物質(TBAーRS)、トコフェロ-ルの減少を測定し、酸素消費量との関係を検討した。その結果、170℃においては、MDA、TBAーRS共、酸素消費量が500μmol/l以下であれば、酸素消費量と良好な線形関係を示したが、それ以上酸素消費が進行しても、MDA、TBAーRS共、増加せず、一定値もしくは減少する傾向を示した。このことは、これまで指標と考えられてきた値にはっきりとした適用限界があることを示している。一方、トコフェロ-ル類は、酸素消費が2000μmol/lまで増加するに従って、減少した。このことは、高温での過酸化の指標としては、トコフェロ-ルが優れていることを示している。40℃で開始剤を用いて大豆油を酸化した実験では、酸素消費量と、MDAおよびTBAーRSともに、良好な線形関係を示すことが判明した。 2.ビタミンCは生体内の代表的な抗酸化剤であるが、このものの、特異的かつ高感度定量法は存在しない。今回、化学誘導とHPLCを用いる方法を確立した。 3.老化はラジカル反応でおこるとする仮説があるが、いまだ化学的に検証されていない。それは、指標となるものが確立していないからである。われわれは、1つの可能性として、過酸化物をとりあげ、極低濃度の過酸化水素、及びヒドロペルオキシドを、化学発光法を用いて定量する方法を確立した。 4.カドミウムの肺に対する毒性発現機構が脂質過酸化であることを、グルタチオンの動態から明らかにした。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] E.Kishida: "Relationship among malondialdehyde,TBAーreactive substances and tocopherols in the oxidation of soybean oil." J.Home Econ.Jpn.42. 219-222 (1991)
-
[Publications] H.Iguchi: "Early decreases in pulmonary,hepatic and renal glutathione levels in response to cadmium instillation into rat trachea." J.Appl.Toxicol.11. 211-217 (1991)
-
[Publications] S.Kojo: "Peroxyoxalate chemiluminescent assay in aqueous solution using γーcyclodextrin." Clin.Chem.(1992)