1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454086
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
黒田 正治 九州大学, 農学部, 教授 (50039319)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 哲郎 九州大学, 農学部, 助手 (30140627)
田中 明 佐賀大学, 農学部, 助教授 (70038305)
林 静夫 九州大学, 熱帯農学研究センター, 助教授 (00038316)
中野 芳輔 九州大学, 農学部, 助教授 (60038320)
|
Keywords | 用水計画 / 潅漑スケジュ-リング / TRAM / 土壌水分動態 / 消費水量 / 二層モデル / 節水潅漑 / 有効降雨 |
Research Abstract |
本研究では,畑作における降雨の有効利用と下層土からの上昇水分の積極的な利用を前提とした潅漑スケジュ-リング手法の検討と,これに対応する節水型の用水計画手法の確立を目的とする。得られた成果の概要はつぎの通りである。 1.有効雨量および消費水量の算定:本研究ではTRAM法を適用し,潅漑地区で日々使用される用水量から消費水量を逆算する手法として用いることを着想した。ここで潅漑の時系列は,潅水量と潅水時期の二つの変数の組合せであるので,適当な評価函数の導入によって,確度の高い消費水量の推定が可能となった。 2.土壌水分動態と下層土からの用水補給:二層モデルによる土壌水分動態シミュレ-ションとクロボク土圃場における現地実験から,下層土から根群層への水分の上昇補給の発生時期とその量を明らかにした。また,この種の問題に対する2層モデルの有効性を検証した。 3.蒸散量と蒸発量の分離:作物の水分利用効率を高め,合理的な節水潅漑を行なうためには,作物からの蒸散量と土壌からの蒸発量を分離して把握することが必要である。ここでは,土・作物・大気システムにおけるエネルギ-変換と水輸送を説明するための数理モデルを提案し,土壌表面からの蒸発量と作物体からの蒸散量の定量評価を可能にした。 4.潅漑スケジュ-リングとシステム操作:用水利用の実態調査とシミュレ-ションから,潅漑システムの操作に際し,降雨は本来,正確な予測が困難であるにも拘らず,かなり有効化率を大きくとることが可能であることが明らかとなった。
|
-
[Publications] 黒田 正治・福田 哲郎: "畑地における潅水量および用水利用の実態分析" 農業土木学会誌. 58. 1065-1072 (1990)
-
[Publications] Nakano,Y.& Kuroda,M.: "Three Dimentional Analysis of Soil Moisture Movement in Row Crop Field for Irrigation." Trans.14th International Congress of Soil Science. VI. VI102-VI107 (1990)