1990 Fiscal Year Annual Research Report
骨病変における非コラ-ゲン骨蛋白の動態と意義に関する基礎的研究
Project/Area Number |
02454162
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
牛込 新一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70081643)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家本 陽一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50212725)
浅沼 和生 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50159373)
下田 忠和 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (70119808)
栗岡 晋 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (70056646)
田中 貢 東京慈恵医科大学, 医学部, 教授 (70056513)
|
Keywords | 骨 / 非コラ-ゲン蛋白 / グラ蛋白 / オステオカルシン / 骨芽細胞 / 石灰沈着 |
Research Abstract |
(研究目的)非コラ-ゲン性骨蛋白の一つである骨グラ蛋白(以下BGP)について、免疫組織化学的に検索し、その分布と意義について検討した。(材料と方法)ウシの成熟骨から電気泳動法、イオン交換法の組み合わせによりBGP(分子量:約5,700)を分離、精製した。アミノ酸分析により純度の高いことを確認した。アジュバントと共に、家兎に免疫を繰り返したが、抗体価は充分上がらなかった。これに代わり、ProーBGP、BGPのN末端、C末端の抗体が得られたので、それぞれについて、ABC法による免疫染色を行った。ヒト胎児(自然流産による、8〜11週)、正常骨、軟骨組織、種々の骨腫瘍において、低温脱灰(4℃)を行い、一部非脱灰パラフィン切片を用いた。 (結果)1.胎生期の膜内化骨、軟骨内化骨と共に骨芽細胞、骨細胞に、BGPが証明された。前骨芽細胞にも弱陽性であった。2.非脱灰よりも、適切な低温脱灰で染色性が最も良好であった。3、石灰沈着とBGPの染色性、その染色強度との間に直接の関係は得られなかった。 4.BGPは正常の軟骨細胞やマトリックスには観察されなかった。 5.ProーBGPは概して骨芽細胞や前骨芽細胞に染色され易く、NやC末端のものは骨細胞に一層強く染色され易い傾向が窺われた。6.類骨マトリックスは概して染色されなかった。7.骨形成性病変(線維性異形成、骨化性線維腫、骨芽細胞腫等)では骨芽細胞、骨細胞にBGPが証明された。線維性異形成の聞質細胞にも強陽性であった。8.骨肉腫はosteoblastic typeは無論のこと、fibroblastic typeの腫瘍細胞にもBGPが証明された。(結語)BGPは正常の骨(芽)細胞のみならず種々の病的な骨形成時の骨(芽)細胞に証明されたが、石灰沈着に直接関わりあう証拠は得られなかった。
|
Research Products
(1 results)