1992 Fiscal Year Annual Research Report
マンソン住血吸虫感染防御免疫におけるマクロファージの役割
Project/Area Number |
02454171
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Research Institution | Hirosaki University School of Medicine |
Principal Investigator |
神谷 晴夫 弘前大学, 医学部, 教授 (70002079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 正広 日本学術振興会(弘前大学), 特別研究員
尾崎 俊寛 弘前大学, 医学部, 助手 (30194541)
佐藤 宏 弘前大学, 医学部, 助手 (90211945)
稲葉 孝志 弘前大学, 医学部, 講師 (60003612)
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Keywords | マンソン住血吸虫症 / 感染防御免疫 / 紫外線弱毒化虫体 / 皮膚ランゲルハンス細胞 / 樹状細胞 / モルモット / SCIDマウス / 抗原提示 |
Research Abstract |
放射線あるいは紫外線(UV)照射弱毒化マンソン住血吸虫セルカリアの感染により、マウス、モルモットなどの実験用動物に強い感染防御免疫が誘導される。この発現機序に関して、本年度の研究で得られた知見は以下の通りである。 1)放射線弱毒化セルカリアで免疫したモルモットの腹腔内遊出好中球、ならびに、マクロファージのO_2産生は正常モルモットのそれらに比し、前者では抑制傾向にあり、後者では明瞭な差が認められなかった。 しかし、免疫モルモット腹腔マクロファージは、抗体の存在下で高率にシストソミューラをin vitroの系で殺滅した。この作用は補体により増強された。 2)皮膚ランゲルハンス細胞の動態:皮膚のランゲルハンス細胞を抗モルモット・ランゲルハンス細胞モノクロナール抗体で免疫染色し、UV弱毒化セルカリア感染、正常セルカリア感染モルモット間で比較した。 その結果、照射セルカリア感染例では4日目、まで減少したが、8日目以降、顕著に増加した。一方、正常セルカリア感染例では4〜8日目の間に正常の分布数に復した。 両者間でのこの違いは、照射セルカリア感染例では、表皮あるいは真皮内にとどまる幼虫に対する。“樹状細胞"の新な動員が、リンパ節でのT細胞応答に必要なことを示唆している。 3)紫外線(UVC)で皮膚ランゲルハンス細胞を減少させることによって、再感染防御能は低下した。 このことは皮膚のランゲルハンス細胞が、本症の感染防御免疫に深く関与していることを示唆しているが、UV照射が被照射モルモットの全身的免疫状態に影響を及ぼしている可能性も考慮する必要がある。 4)モルモット皮膚ランゲルハンス細胞等“樹状細胞"やリンパ球に対するモノクロナール抗体産生ハイブリドーマが得られたので、それらを用いた本症の感染防御免疫機序の解析の進展が期待出来る。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kumagai,M.,Sato,H.&Kamiya,H.: "Migration kinetics of ultraviolet-attenuated Schistosoma mansoni in ICR mice." Japanese Journal of Parasitology. 41. 300-305 (1992)
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[Publications] Kamiya,H.,Nakayama,H.&Yoshimura,K.: "Defect of resistance in male gerbils, Meriones unguiculatus,vaccinated with γ-irradiated cercariae of Schistosoma mansoni agaist a homologous challenge infection" Journal of Parasitology. 79. (1993)
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[Publications] Ozaki,T.&Kamiya,H.: "Schistosoma mansoni:development in Japanese Hartley strain of guinea-pigs" Southeast Asian Journal of Tropical Medicine and Public Health. 23. (1993)
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[Publications] Kamiya,H.,Ozaki,T.,Nakayama,H.&Inaba,T.: "Immunizing potential of ultraviolet attenuated cercariae of Schistosome mansoni in rodent hosts" Parasitology Research. 79. (1993)