1992 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄県における脳卒中疫学調査ならびに老化に関する研究
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02454205
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Research Institution | Kyorin University School of Medicine |
Principal Investigator |
古見 耕一 杏林大学, 医学部・衛生学教室, 教授 (70101467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 ひろみ 杏林大学医学部, 衛生学教室, 実験助手
松井 知子 杏林大学医学部, 衛生学教室, 実験助手
照屋 浩司 杏林大学医学部, 衛生学教室, 助手 (20197817)
角田 透 杏林大学医学部, 衛生学教室, 助教授 (80095629)
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Keywords | CEA / 問題飲酒 / 過酸化脂質 / ビタミンE / 末梢循環機能 / 生活習慣の変容 |
Research Abstract |
対象地域での平成2.3年度での悪性新生物による死亡例(18例)とそれまでの健康診査時のCEA値(1643例,RIA固相法(サンドウィッチ法)による。基準値2.5ng/ml)との関連について検討した。CEA値のスクリーニング検査としての敏感度を表す曲線および特異度を表す曲線が交又するのは1.5ng/mlから2.0ng/mlの間であった。スクリーニング検査としてCEA値を利用する場合には、従来からの正常範囲にとらわれない利用法が必要なことが示唆された。問題飲酒と検診結果とについて検討したところ、男性の問題飲酒は身体的な健康についての評価と考えられる検診成績だけでは見いだしにくいことが推測された。問題ある飲酒習慣が年齢によらず存在することから,検診成績に加えて詳細な問診により中高年齢者に適正な飲酒習慣を指導して行くことの重要性が示唆された。健康診査受診者の血清過酸化脂質および血清ビタミンE値はほとんど正常範囲内であったが、それらと指尖加速度脈波の成績との関連について検討したところ,過酸化脂質については低値群で加速度脈波係数が大きく,高値群で小さい傾向がみられた。ビタミンEは高値群において加速度脈波係数が低値を示す傾向がみられた。末梢循環機能の指標とされる指尖加速度脈波値と,老化関連因子と考えられる血中過酸化脂質値およびビタミンE値の間に,それらの正常範囲と考えられているレベルにおいても何らかの関連が存在することが示唆された。検診成績での所見の有無による生活習慣の変容について検討したところ,男女ともに血清脂質に所見のあった者は運動を継続する或いは始めるなどの好ましい方向での推移を示す者の比率が高かったが、男の血圧所見のある者については飲酒に関して好ましくない方向に推移していた。どの検査項目に所見があるかによって,健康習慣の保持状況の変容の様子が異なる可能性が示唆された。
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