1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454247
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鈴木 友和 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (20028517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真下 昌己 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80159144)
鈴木 康代 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (90226564)
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Keywords | HHH症候群 / 高オルニチン血症 / 高アンモニア血症 / 尿素サイクル / ミトコンドリア / オルニチン転送蛋白 / アフィニティラベル / 遺伝子病 |
Research Abstract |
HHH症候群(高オルニチン血症・高アンモニア血症・ホモシトルリン尿症症候群)の病因として、肝ミトコンドリア内膜に存在するオルニチン転送蛋白の障害が考えられている.我々はその実体を明らかにするため、本年度はCohenらのシトルリン合成系を用い、ラット肝ミトコンドリアのオルニチン転送蛋白の特性を検討し、阻害作用をもつフアフィニティラベル試薬のスクリ-ニングを行なった.その結果、オルニチン転送蛋白はオルニチン以外に、ム-フルオロオルニチン、βγージヒドロオルニチン、オルニチンエチルエステルを転送することが明らかになった.またSH試薬はEosinー5ーmaleimide、pCMBS、Mersalyl、pCMBの順に阻害作用が大きくなり、オルニチン転送蛋白にSH基の関与していることが示唆された.さらにオルニチン類似物質、高アンモニア血症惹起物質、ポリアミン等64種類の化合物をスクリ-ニングした結果、ジアミン誘導体のいくつかに阻害作用が認められた.その内Tー46944は阻害作用が強く、不可逆性であり、オルニチントランスカルバミラ-ゼ、カルバミルリン酸合成酵素にも影響しないことから、アフィニティラベル試薬の候補と考えられた.そこでラベル体 ^3HーTー46944を合成し、現在、ルブロ-ルWXにより可溶化したミトコンドリア蛋白をニトロセルロ-ズペ-パ-にブロットし、乾燥させたあと、 ^3HーTー46944溶液に浸し、オルニチン転送蛋白への結合条件を検討するなど、オルニチン転送蛋白の精製にとりかかる準備を整えている.
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[Publications] 中辻 裕司: "ラット肝ミトコンドリアのオルニチン転送蛋白の性質と阻害物質のスクリ-ニングについて" 生化学. 62. 937 (1990)
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[Publications] 中辻 裕司: "高オルニチン血症・高アンモニア血症・ホモシトルリン尿症(HHH)の病因に関する研究" 九州大学生体防御医学研究所年報. 4. 94 (1990)
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[Publications] 安部 眞佐子: "HHH症候群の分子遺伝学的研究ーオルニチン転送蛋白のラベリングー" 厚生省特定疾患難病の宿主要因調査研究班平成2年度研究報告書. (1991)
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[Publications] 辻野 精一: "Hyperornithinemia,hyperammonemia,and homocitrullinuria:A case report and study of ornithine metabolism using in vivo deuterium labelling" Clinica Chimica Acta.
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[Publications] 中辻 裕司: "Ornithine analogues as substrates of ornithine transporter and effects of SHーgroup reagents" Journal of Biochemistry.