1990 Fiscal Year Annual Research Report
心室遅延電位の発生と意義に関する基礎的・臨床的研究
Project/Area Number |
02454252
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
立木 楷 山形大学, 医学部, 助教授 (30004683)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八巻 通安 山形大学, 医学部, 助手 (40191217)
池田 こずえ 山形大学, 医学部, 助手 (30184419)
久保田 功 山形大学, 医学部, 講師 (30161673)
太田 郁郎 山形大学, 医学部, 助手 (70143097)
小熊 正樹 山形大学, 医学部, 助手 (10160821)
|
Keywords | 心室遅延電位 / 心電図加算 / 心筋梗塞 / フ-リエ変換 / 逆フ-リエ変換 |
Research Abstract |
心室遅延電位は心電図心拍加算帯域濾波によって得られ,心室頻拍・心室細動などの重症不整脈との関連が注目されているが、その成因や意義については必ずしも十分には解明されていない。今回の研究は、心筋梗寒における心室遅延電位の発生と意義とを明らかにするため、実験的に作成した心筋梗寒慢性モデルと、臨床例の心筋梗塞患者について検討する。今年度は、雑種成犬20頭を開胸し冠動脈結核により心筋梗塞を作成し、手術前、直後および1週間後から4週間後まで1週毎に、シグナルアベレ-ジングECG解析装置プレディクタ-IIにより心室遅延電位の検出を試みた。さらに4週間後に再開胸し、心表面64点の心電図マッピングを行い、このデ-タをパ-ソナルコンピュ-タNEC9801VXに転送して心算加算を行い、FFT解析を行った。心室遅延電位は、一週間後〜2週間後の間で出現し、その後持続する例が最も多かったが,早期に出現したのち消失する例も存在した。また心表面心電図の高速フ-リエ変換し0ー25,25ー40,40ー80,80ー150,150ー250Hzの面積を求め,それぞれ0ー25Hzの面積で割ったarea ratioを算出した。さらに,0ー40,40ー250Hzの帯域で逆フ-リエ変換を行い,再合成波形の絶対値をとりその面積比を求めた。心筋梗塞部では、arearatioは減少し,逆フ-リエ変換での0ー40Hz areaは大きく、40ー250Hz areaは少さかった。以上のことから、心筋梗塞部では、QRS波の主棘では、高周波成分はむしろ減少しており、ST部で高周波成分が増加して心室遅延電位として認められることと対照的であった。心筋梗塞後の症例でも体表面87点より心電図を記録し、加算後FFTーIFITを施行すると、梗塞部でのarearatioの減少が同様に認められた。これは、心室頻拍例や左駆出率低下例でよい顕者であり、心筋の線維化、傷害を表わす現象と考えられた。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Takehiko Shibata,Isao Kubota,Kozue Ikeda,Kai Tsuiki,Shoji Yasui: "Body Surfacc mapping of highーfrequency components in the terminal portion during,QRS comples for the prediction ofventricular tachycardia in patients with previous myocardial infarction" Circulation. 82. 2084-2092 (1990)