1990 Fiscal Year Annual Research Report
MRI用造影剤の臨床的効用と染色体異常出現頻度より見た副作用に関する研究
Project/Area Number |
02454283
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 宗治 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (80013829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田寺 修一 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (70217008)
山崎 悦夫 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20220303)
山田 一郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90182518)
吉田 哲雄 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30134696)
松原 升 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (40014120)
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Keywords | 磁気共鳴イメ-ジング(MRI) / MRI用造影剤 / GdーDTPA / 染色分体交換に対する影響 |
Research Abstract |
磁気共鳴イメ-ジング(MRI)においてもコントラスト増強(contrast enhancement)の目的で所謂造影剤がしばしば使用されるようになった。MRI用造影剤として既に市販されているのは常磁性(paramagnetism)を呈するGdーDTPA溶液であり、脳をはじめとして全身のMRIに用いられている。未だ市販されてはいないが、超常磁性(superparamagnetism)を有する酸化鉄微粒子も肝・脾腫瘍の描出に利用される可能性が大である。MRIで実際に像をつくるのはプロトンとくに水分子のプロトンであり、常磁性あるいは超常磁性物質は局所の磁場を変化させ、その部位のプロトンの緩和時間(T_1およびT_2)を短縮する。T_1の短縮は一般にMR信号を増強し、T_2の短縮は逆にMR信号を低下させる方向に作用する。 本研究代表者は、MRIのいろいろな撮像法(スピン・エコ-法、反転回復法、FLASH法、FISP法)の信号強度式より、いろいろなTRとTEにおける信号強度と組織のT_1あるいはT_2との間の関係を示す方法(グラフ)を考案し、各撮像法において造影剤を使用する場合の最適条件を推論した。現在、それらの推論の正否を研究分担者が臨床的実験により確かめている。 更に研究分担者(山崎、松原)はMRIにおける磁場、RF波およびGdーDTPAの未梢リンパ球の染色分体交換に及ぼす影響を実験的に分析した。その結果、GdーDTPAは通常用いられている濃度では問題ないが、高濃度になると染色分体交換の頻度は高くなる傾向が認められ、更に磁場とRF波の曝射が重なると頻度は更に高まることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 鈴木 宗治: "MRI用常磁性造影剤(特にGdーDTPA)について" Innervision. 5巻10号. 41-47 (1990)
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[Publications] 山崎 悦夫: "染色分体交換に及ぼす磁場、RF波およびGdーDTPAの影響" 日本医学放射線学会雑誌. 51. (1991)
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[Publications] 鈴木 宗治: "MRIー最近の進歩(巻頭言)" 臨床成人病. 21巻3号. (1991)