1990 Fiscal Year Annual Research Report
ド-パミンD_2受容体遺伝子:精神分裂病患者についての解析
Project/Area Number |
02454291
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
薄井 宏 新潟大学, 脳研究所, 助手 (20192510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑野 良三 新潟大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (20111734)
阿部 聰 新潟大学脳研究所, 助手 (90202663)
熊西 敏郎 新潟大学脳研究所, 教授 (40018601)
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Keywords | ド-パミンD_2受容体 / 遺伝子 / 精神分裂病 / ポリモルフィズム |
Research Abstract |
我々は平成2年度までに,正常ヒトド-パミンD_2受容体遺伝子をクロ-ニングすることに成功し、遺伝子の構造解析を行なった.その結果,受容体蛋白をコ-ドする領域は7つのエクソンに分断されており,そのうちの第5番目のエクソンの挿入の有無によるalternative splicingの機構が存在することが明らかになった.3'非翻訳領域は,蛋白コ-ド領域のC端部と共に7番目のエクソンを構成していた.これらの遺伝子領域は,全長約13kbにわたっており,エクソン・イントロン境界の塩基配列はGT/AGル-ルに従っていた.また,ごく最近報告されたラットの遺伝子と同様に,5'非翻訳領域に非常に長いイントロンが存在することが判明したが,5'非翻訳領域のみを含むエクソン1は,これまで我々がクロ-ン化したゲノムDNA断片には含まれていなかった. ド-パミンD_2受容体遺伝子のポリモルフィズムをみつける目的で,正常人の白血球から遺伝子DNAを抽出し,いろいろな制限酵素でDNAを切断して,サザンブロット解析を行なった.これまでに,ド-パミンD_2受容体遺伝子のいろいろな領域をプロ-ブし,約20種類の制限酵素を用いて解析を行なったが,未だRFLPは見出されていない.また,米国で認められたTaqlでのポリモルフィズムも日本での我々の検索では,認められなかった.一方で,精神分裂病患者とその家族に実験の目的とその重要性を説明し,同意の得られた患者と家族の白血球から遺伝子DNAを抽出することを,上記の実験と平行して進めた.特に,家系内発症を認め,かつ抗精神病薬によく奏効する精神分裂病患者の家系で,ド-パミンD_2受容体遺伝子を検索することは重要であると思われるので,DNAの採集に努めている.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Usui,Hiroshi: "Purification of D_2 dopamine receptor by photoaffinity labelling,highーperformance liquid chromatography and preparative sodium dodecyl salfate polyacrylamide gel electrophoresis." Jounal of Chromatography. 515. 375-384 (1990)
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[Publications] Sakai,Yutaka: "Dopamine receptors expressed in the xenopus oocytes injected with bovine striatal mRNA" Molecular Brain Research. 7. 183-187 (1990)
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[Publications] Kobayashi,Hisashi: "Stability of messenger RNA in postmortem human brain and construction of human brain cDNA libraries." Journal of Molecular Neuroscience. 2. 29-34 (1990)
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[Publications] 桑野 良三: "神経特異蛋白質の遺伝子発現調節" 代謝;臨時増刊「先端の医生物学とバイオサイエンス」. 257-261 (1990)
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[Publications] 桑野 良三: "Sー100β遺伝子" 医学のあゆみ. 115. 703-705 (1990)
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[Publications] Abe,Satoshi: ""Neoplastic angioendotheliosis":demonstration of immunoglobulin gene rearrangements by the Southern blot hybridization technique" Virchows Arch B. 58. 241-244 (1990)