1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02454374
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Research Institution | Dept. of Obst. Gynec. Akita Univ. School of Medicine |
Principal Investigator |
真木 正博 秋田大学, 医学部, 教授 (20003379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 亨 秋田大学, 医学部, 助手 (10221582)
設楽 芳宏 秋田大学, 医学部, 助手 (40187357)
樋口 誠一 秋田大学, 医学部, 助教授 (20006779)
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Keywords | 妊娠中毒症 / 血管内皮 / DIC / 分子マ-カ- / アンチトロンビンIII / カルホバインディン |
Research Abstract |
妊娠中毒症には血管内凝固(DIC)という現象が関与し、その病態を修飾している。今回は妊娠中毒症の病態を血管内皮機能の面から検討し、次のような結果を得た。 (1) PG系:血管内皮機能を示す6ーKetoーPGF_1αと血小板機能を示すTXB_2をみてみると、前者は妊娠中毒症で有意の増加を、後者は変動幅が大きく有意の差はみられなかった。 (2) トロンボモジュリン(TM):血管が荒廃すると血管壁からTMが外れて、血中に出現してくるが、やはり妊娠中毒症で高値であった。また、妊娠中毒症指数(GI)と正の相関が認められた。 (3) 凝固系:妊娠中毒症ではTATが有意に高く、血管内凝固が起っていることは明白である。 (4) 線溶系:妊娠中毒症では正常妊娠に比してtーPAは有意に高値であり、PICやDーdimerも高値であるから、血管内凝固に対する二次的な線溶亢進があるといえる。 (5) 血管壁TAT:血管壁にはヘパラン硫酸が存在し、これに血中のATIIIが結合して抗血栓的に作用している。血中にトロンビンが生ずると、血管壁ヘパラン硫酸ーATIIIートロンビン結合体が生ずる。この状態では抗血栓能は失われている。そこにATIIIを補充するとトロンビンーATIII複合体(TAT)は血管壁から外れ、血管の抗血栓機能は回復する。中毒症やDICの時に抗凝固療法を行うと一過性にTATが上昇するのはこのためである。 (6) 胎盤性の抗凝固物質であるCPBおよびm・RNAを調べてみたが、両者とも妊娠中毒症で増加の傾向が認められた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 真木 正博: "妊娠中毒症と血液凝固線溶系" Annual Review 血液 1991. 174-179 (1991)
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[Publications] Toshihiko Terao et al.: "The Relationship between Clinical Signs and Hypercoagulable State in Toxemia of Pregnancy" Gynecologic and Obstetric Investigation. 31(2). 74-85 (1991)
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[Publications] Hideo Yoshizaki et al.: "Phospholipid Binding Properties of CalphobindinーII(Annexin VI),an Anticoagulant Protein from Human Placenta" Chem.Pharm.Bull.39(10). 2617-2621 (1991)
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[Publications] Masahiro Maki et al.: "CALPHOBINDINS(ANNEXINS)" Academic Press, 14 (1991)
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[Publications] Masahiro Maki: "Haemostasis and Thrombosis in Obstetrics and Gynecology" Med.Verlag.mbH, 227 (1991)