1991 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部悪性腫瘍の制癌剤感受性と温熱相乗効果に関する研究
Project/Area Number |
02454396
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
斎藤 等 福井医科大学, 医学部, 教授 (90079898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信之 福井医科大学, 医学部, 助手 (00236613)
藤枝 重治 福井医科大学, 医学部, 助手 (30238539)
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Keywords | 頭頸部悪性腫瘍 / 制癌剤感受性試験 / 温熱化学療法 / ATP法 |
Research Abstract |
1.頭頚部癌336組織片の迅速アイソト-プ法(CPM)感受性試験の分析では、Peplomycin(PEP)29.2%,Cisplatin(CDDP)22.2%,Bleomycin(BLM)20.8%,5ーFU17.6%,MitomycinーC(MMC)17.2%,Adriamycin(ADM)15.2%の順に感受性が多くみられた。この結果は確率的投与法の場合に利用できる。個々の結果を利用し臨床相関が得られたのは9例あった。True positive rateは80%(4/5),true negative rateは75%(3/4)であった。全体としての臨床相関は78%(7/9)であった。 2.上顎癌の減量手術時の材料で感受性試験を行い、その結果を動注化学療法に応用して、三者併用療法を行う補助化学療法を7例に行ってきたが、現在のところ、上顎部分切除、放射線量の減量による機能と形態の保存には貢献したが、生存率の向上にはつながっていない。 3.新たに導入したATP法による98組織片の感受性試験の結果では、ADM63%,CDDP47%,PEP42%,5ーFU39%,Carboplatin(CBDCA)38%,MMC31%の順に感受性を示した。CPM法と感受性一致率は72%であったが、評価可能率はCPM法の35%に対して、ATP法は90%と優れていた。ADMの濃度設定に問題があるように思われた。臨床相関が得られた症例はわずかに4例であったが、true positive rateは50%(1/2),true negative rateは100%(2/2)であった。全体としての臨床相関は75%(3/4)であった。 4.Chinese hamster Vー79培養細胞株を用いた温熱化学療法の実験では、扁平上皮癌に有効な白金系制癌剤のCDDPとCBDCAが共に、温熱耐性株の温熱感受性を少し上昇させた。 5.さらに同じ実験系で、stepーup温熱による温熱耐性の発現も上記の白金製剤は阻止した。さらに42℃の低温加熱でも温熱との相乗効果を示し、耐性発現も抑制した。このことは、44℃の高温が得られ難い臨床での有効性が証明されたことになる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 斎藤 等: "抗癌剤選択" JOHNS. 7. 591-596 (1991)
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[Publications] 大坪 俊雄: "制癌剤感受性試験の頭頸部癌への臨床応用" 頭頸腫瘍. 17. 76-80 (1991)
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[Publications] 斎藤 等: "化学療法の立場からみた頸部リンパ節転移の治療" 頭頸腫瘍. 18. 42-45 (1992)
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[Publications] Saito,H.: "In vitro chemosensitivity of head and neck malignant tumors.Proceedings of the XIV World Congress of Otorhinolaryngology 1989,Vol.2" Kugler & Ghedini Publications, 2735-2737(3) (1991)