1991 Fiscal Year Annual Research Report
Quality of lifeを重視した頭頸部癌の形態・機能保存治療に関する研究
Project/Area Number |
02454399
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
平野 実 久留米大学, 医学部, 教授 (60080868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 公則 久留米大学, 医学部, 講師 (70196228)
松岡 秀隆 久留米大学, 医学部, 講師 (40157277)
田中 信三 久留米大学, 医学部, 講師 (90163526)
吉田 哲二 久留米大学, 医学部, 助教授 (70080926)
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Keywords | 頭頸部癌 / quality of life / 機能保存治療 / 喉頭癌 / 上顎癌 / 口腔癌 / 咽頭癌 |
Research Abstract |
1.病理組織学的研究 喉頭癌標本30個、口腔癌標本20個、中・下咽頭癌標本10個、上顎癌標本10個について病理組織学的に検討した。癌の浸潤範囲の推定にはCT,MIRなどの画像情報、ファイバスコピ-などによる視診とくに諸部位の動きの観察、が有用であり、これらによって相当正確に浸潤範囲を推定するアルゴリズムが確立されつつある。 2.機能に関する研究 喉頭癌を放射線で治療すると機能障害は最も少ない。乾燥感が最大の問題であった。レ-ザ-治療後には軽度の発声障害があった。喉頭垂直部分切除後には中等度の発声障害があり、またときに呼吸困難で気管口を開いておく必要があった。声門上水平切除ではときに誤嚥があるほかには機能障害はほとんどなかった。 口腔癌のレ-ザ-治療後にはほとんど機能障害はなかった。口腔癌と中咽頭癌の広範切除、再建後には種々の程度の構音障害と嚥下障害がおこった。障害の程度と切除範囲との関係を検討し、切除範囲から障害の程度を予測することが、ある程度可能とった。 3.治療法の研究 初期の喉頭癌、口腔癌、中咽頭癌に対するレ-ザ-治療の適応と方法を確立できた。口腔・中咽頭の広範切除後には、遊離腹直筋筋皮弁または有茎大胸筋筋皮弁による再建法が有用であることを示した。下咽頭癌の広範切除後には、遊離空腸を用いる再建法に工夫を加え、嚥下機能の改善をはかった。 発声、構音、嚥下の障害に対するリハビリテ-ションの方法に、いくつかの改良を加えた。
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