1991 Fiscal Year Annual Research Report
組織学的構造を反映した粘膜および歯根膜の生体力学的シミュレ-ションモデル
Project/Area Number |
02454447
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宮入 裕夫 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (50013892)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 秀昭 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (50014163)
永井 正洋 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (10013971)
高久田 和夫 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (70108223)
|
Keywords | 粘膜 / 歯根膜 / 粘膜の被圧縮性 / 生体力学 / シミュレ-ションモデル |
Research Abstract |
本研究は,力学的な負荷のもとにおける生体組織の変形状況を検索するとともに,その特徴を取り込んだ力学シミュレ-ションモデルを作成することを目的とする.本年度は,昨年度に引き続いてのモデル実験を行うとともに,数値シミュレ-ションモデルを作成し,さらに線維芽細胞の培養実験を開始して以下の結果を得た. 1.粘膜については,超小型圧力センサが埋めこんだシリコ-ンエラストマ-による実験モデルを製作し,圧子を押し込んだ際の圧子下における圧力分布の測定を行った.さらにこの実験条件に対応するシミュレ-ションモデルを作成し,圧子中央から周辺に近付くにつれ圧力が減少して行く挙動を再現することができた. 2.歯根膜に関しては,歯牙移動の数学モデルを作成を開始した.これは歯根膜の圧縮にともなう血行停止をシミュレ-ションするとともに,炎症にともなう破骨細胞や骨芽細胞の挙動をモデル化するものである.現在は計算モデルの作成を行っている段階であるが,矯正学における矯正力と歯牙移動のの関係をシミュレ-ションできるものと期待できる. 3.骨のリモデリングに関しては,骨への機械的刺激と骨成長因子とのカップリング機構についてのモデルを構成した.これは骨への機械的負荷による圧力勾配により骨液に流動が生じ,これにともなって破骨細胞から骨液に放出される成長因子が骨表面へ移動し,骨芽細胞へ信号伝達が行われるとするものである.このモデルにより,従来説明が困難であった実験的および臨床的に知られている結果をシミュレ-トすることができた. 4.in vitroの系については,線維芽細胞のコラ-ゲンゲル内培養を行い,人工材料と生体組織の適合などに関する実験系としてin vivoでの状況に類似した現象を確かめることができた.
|