1992 Fiscal Year Annual Research Report
発現クローニングによる細胞増殖調節因子遺伝子群の単離と機能解折
Project/Area Number |
02454537
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野島 博 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (30156195)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 泰子 大阪大学, 微生物病研究所, 教務員 (70194602)
永田 昭久 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (50155933)
岡山 博人 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (40111950)
|
Keywords | 分裂酵母 / 細胞周期 / cdc2 / cdc13 / cdc10 / 減数分裂 / DNA合成 / 転写調節 |
Research Abstract |
分裂酵母のスタート近傍の細胞周期変異株であるcdc10を宿主として機能相補クローニングによりその機能変異を相補する分裂酵母および出芽酵母由来の遺伝子を幾つかクローン化した。これらはいずれもcdc10^+遺伝子とは異なる新規の遺伝子であることが、それらの塩基配列を決定することにより分った。以下にそれらの性質を列挙する。 (1)res1:この遺伝子はcdc10変異株以外にも,制限温度でG1期停止し1倍体のまま減数分裂を開始してしまうpat1変異株をも相補するという興味深い性質を示した。res1の塩基配列はcdc10^+と類似していた。re1の破壊株は非常に生存率が低く、高温や低温においては典型的なcdcの表現型を示し致死となった。res1の名の由来はこれがG1/S期の移行に必須である(reguired for entry into S phase)ところから来る。出芽酵母のSWI4/SWI6蛋白との類似性からRes1/SWI4およびCdc10/SWI6の組み合わせで互いにホモログとなっていることを予想している。 (2)rep1:C末付近にZn-fingerを持ち,rep1破壊株は栄養増殖は正常だが減数分裂過程で胞子形成が不揃いとなる性質を持つ。窒素源枯渇の状態で培養すると2時間後に急減に転写され始め、減数分裂過程に関わる遺伝子に共通なSte11結合エレメントを2ケ持つことからrep1は減数分裂過程で重要な遺伝子の転写を制御しているらしい。pat1・rep1^-の二重変異ではrep1^-の表現型が現れ,DNA合成が進行しないことからrep1は前減数分裂DNA合成に関わっている(reguired for fremeiptic DNAsynthesis)らしい。これがその名前の由来である。 (3)HAC1:出芽酵母からcdc10変異を相補するものとして単離されたクローンは塩基配列よりCREB(CAMP respmse element binding protein)に類似していた。そこでこれをHAC(homolog of ATF/CREB)1と名づけた。CAMP系のシグナルをS期進入へ伝達していると考えている。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Kizaka-Kondoh S,Sato K,Tamura K,Nojima H,& Okayama H.: "Raf-1 protein kinase is an integral component of oncogenic signal cascade shared by epidermal growth factor and platelet-derived growth factor." Molecular Cellular Biology. 12. 5078-5086 (1992)
-
[Publications] Tatsuka M,Mitsui H,Wada M,Nagata A,Nojima H,& Okayama H.: "Elongation factor-alfa is a transformation-susceptibility determinant in BALB/c 3T3 cells." Nature. 359. 333-336 (1992)
-
[Publications] Tanaka K,Okazaki K,Okazaki N,Ueda T,Sugiyama A,Nojima H,& Okayama H.: "A new cdc gene required for S phase entry of Schizosaccharomyces pombe encodes a protein simflar to the cdc10 and SWI4 gene products." EMBO Journal. 11. 4923-4932 (1992)
-
[Publications] Tamura K,Kanaoka Y,Jinno S,Nagata A,Ogiso Y,Shimizu K,Hayakawa T,Nojima H,& Okayama H.: "Cyclin G: a new mammalian cyclin with a potential tyrosine phosphorylation site." Oncogene.
-
[Publications] 野島 博: "遺伝子診断入門" 羊土社(東京), 188 (1992)