1990 Fiscal Year Annual Research Report
ライフサイクルコストからみた学校建築の改築・改造システム
Project/Area Number |
02555129
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長倉 康彦 東京都立大学, 工学部, 教授 (30087259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 信之 東京都立大学, 工学部, 助手 (90161570)
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Keywords | イニシャルコスト / ランニングコスト / グレ-ドアップ / 模様替 / 新しい学習空間 / プランタイプ |
Research Abstract |
本年度は、資料の収集・整理を中心に研究を進め、あわせてコストスタディを行なった。東京都S区の協力を得、区内全小中学校96校の建物取得価格、過去10年分の建物補修、模様替などの工事履歴と工事費、同3年分の光熱水費、清掃点検費などの経常費項目と額の資料を網羅することができた。これをもとに、工事費等の物価推移を考慮し、現在価格への補正を行った上で分析を行なった。まず、建築工事単価の推移を現在価格への補正を行なった上で検討し、単価のグレ-ドアップがなかったことを確かめた。次いで、建物の新旧と経常費の面積単価の間にも相関が見られないことを確かめた。建物補修費は、経年数15年未満と15年以上で面積単価が異なることがわかった。これらをもとに、建築工事費などのイニシャルコストと、補修・経常費などを含めた竣工後30年間の毎年のランニングコストを明らかにした。これから、50年間に必要なト-タルコストの推計式を作成した。これらの成果は、平成3年度中に、日本建築学会において発表の予定である。さらに、S区は、多目的スペ-スなど、新しい学習空間を保有する学校がないため、新しいプランタイプの学校と在来型の学校を保有している都内T区の小中学校の過去3年分の経常費の資料を入手した。この分析は現在進行中である。また、新築・増改築・大規模改造によって新しい学習空間を実現した事例の実施図面を入手し、工事費の分析を進めている。一方、近年竣工した小中学校の図面の入手を進めており、それらは順次図面デ-タとして光磁気ディスクに蓄積しつつある。来年度、これらの分析結果をふまえ、システムを構築する。
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