1990 Fiscal Year Annual Research Report
解放型ESRスペクトロメ-タ-の試作と化学反応への応用
Project/Area Number |
02555171
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
相馬 純吉 神奈川大学, 理学部, 教授 (00001115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 優 広島大学, 工学部, 助教授 (80002137)
天野 力 神奈川大学, 理学部, 講師 (20017445)
原 秀元 マイクロ, デバイス(株), 開発部長
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Keywords | ESR / フリ-ラジカル / 化学反応 |
Research Abstract |
1.本研究の目的:本研究はESRの2つの欠点,試料用空間が閉空間でしかも1CC以下と極めて限られていること及び化学反応中生成ラジカル検出の為には感度不足であること,を全く新しい手段で解決することを目的としている。 2.研究の実施計画:上記目的達成のため,ESR装置で従来用いられてきた空胴共振器の使用を止める。代りに電磁レンズを付けた電磁ホ-ンを用いる。このホ-ン使用により,試料空間は開空間となり,容積も増加し,第一の欠点が除去される。この特長からこの方式を開放型ESRスペクトロメ-タ-と名付けた。感度向上のために,従来のXバンドを止め,より短波長のマイクロ波,Kバンド,を用いる。 3.本年度の計画実施:(1)Kバンド開放型ESRスペクトロメ-タ-の組立調整を最重点に行った。(2)この装置の中核をなす電磁ホ-ンの設計,試作を行った。(3)この電磁ホ-ンの最適条件を決定した。(4)試料を挿入できる空間は長さ50mm巾33mm深さ64mmに設定され,しかも,この空間の上下は全く開放されている。Kバンドの空胴共振器の試料用空間は600mm^3でしかも閉空間である。これに比べ,本方式での試料用空間の容積は約150倍となり,しかも開放空間なので反応用装置の挿入も可能となり,本研究の目的の1つである本装置の化学反応への応用の道が開けた。 4.本装置の感度:解放型ESRスペクトロメ-タ-の感度検定を行った。その結果庫本装置の感度は10^<16>スピンでS/N=5であった。この感度では十分と云えないので,目下感度向上を試み,約1桁の向上が予想される。 5.明年度以降の計画:当初第2年度はより高周波のQバンドを用いる開放型ESRスペクトロメ-タ-の試作を計画していたが,決定予算枠の減額のため,この計画を締め,Kバンドでの感度向上と化学反応への応用を試みる。
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Research Products
(1 results)