1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02556028
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
角屋 睦 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 明博 岡山大学, 農学部, 助教授 (80093285)
田中丸 治哉 京都大学, 防災研究所, 助手 (80171809)
杉山 博信 筑波大学, 農林工学系, 講師 (60015807)
桜田 純司 北海道大学, 農学部, 講師 (80001460)
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Keywords | 渇水比流量 / 流況曲線 / 自然逓曲線 / 流出解析 / 長短期流出両用モデル / タンクモデル |
Research Abstract |
各種の水資源開発保全計画に際し、対象地域の渇水特性の把握が重要なことはいうまでもないが、現実には必ずしも容易ではなく、その基礎資料の入手自体が困難な場合も少なくない。本研究は、この種の問題を解決する一方法として、渇水特性は当該地域の降水特性・地質特性の総合効果であるとの観点から、全国のいくつかのダム地点の水文気象資料を収集整理し、共通の方針の下で自然逓減曲線の作成、長期流出モデルの同定などを行い、その一般化を図ろうとするもので、本年度はデ-タの収集整理に力点をおいた。主な成果は以下のようである。 1.北海道、東北の各4ダム流域の資料を収集した。積雪寒冷地帯の流域では積雪期の渇水が著しく、日逓減係数はほとんど0.01以下、流量は1〜2mm/day程度で、0.5mm/day以下の地域も見られる。現在これら流域に直列4段のタンクモデルを同定し、定数間の関係を調べている。 2.東日本、北陸の14ダム流域の資料を収集し、流況曲線、自然逓減曲線を吟味した。豪雪地帯と寡雪地帯の流況にはかなり明瞭な差がみられ、後者の方が安定と言えそうなこと、自然逓減係数と寡水年渇水量との間に関連性がみられることなど、興味ある特性が考察された。 3.近畿の5ダム流域の観測資料について流況曲線、自然逓減曲線を調べるとともに、長短期流出両用モデルの最適同定を試みた。また、雨水流モデルとの対応関係から、長短期流出両用モデルのモデル定数に及ぼす流域スケ-ル効果について理論的実証的考察を試みている。 4.岡山県に所在する2ダム流域の7〜12年間の観測資料に基づいて、直列4段のタンクモデル、長短期流出両用モデルを同定し、モデル定数間の関係を吟味した。自然逓減曲線については流量精度に左右されてまだ明確な結論を得るには至っていない。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 角屋 睦: "長短期流出両用モデルと流域スケ-ル効果" 土木学会関西支部講演要旨集. (1991)
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[Publications] 桜田 純司: "金山ダムと空知川上流域流出特性の検討ー寒冷地帯水源流域の流出に関する研究ー" 農業土木学会北海道支部講演要旨集. 112-115 (1990)
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[Publications] 杉山 博信: "自然逓減曲線に関する一考察" 農業土木学会大会講演要旨集. (1991)
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[Publications] 永井 明博: "吉井川流域の長短期流出解析とその考察" 農業土木学会大会講演要旨集. 336-337 (1990)
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[Publications] 永井 明博: "高瀬川流域の長短期流出解析と自然逓減曲線" 農業土木学会大会講演要旨集. (1991)