1991 Fiscal Year Annual Research Report
Caged細胞内物質を利用した中枢神経系ニュ-ロン生理機能解明法の開発
Project/Area Number |
02557005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤池 紀生 東北大学, 医学部, 教授 (30040182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 湘三 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (50132741)
小出 育夫 (株)インターデック, 課長
工藤 佳久 三菱化成, 生命科学研究所, 主任研究員
徳冨 直史 東北大学, 医学部, 助手 (30227582)
中江 俊夫 東北大学, 医学部, 助手 (20155659)
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Keywords | 多現象同時計測装置 / caged化合物 / イオン測定蛍光試薬 / ラット / 単離中枢神経細胞 / 電気生理学 |
Research Abstract |
昨年度は想定した哺乳類中枢神経細胞の大きさに光学系と生物系に隔たりがあり、測定装置の立ち上げの遅れにつながった。この問題は照射光路中に可変(最小5μm径)の微小紋りを組み込むことで解決され、本年度途中より光学的電気的多現象同時計測装置は順調に稼働している。同装置を用いたFura-2による細胞内遊離Caの測定とパッチクランプ法による電流測定から、単離中枢神経細胞の化学受容器への刺激による細胞内遊離Caの動態とCa誘引型のIkの消長がほぼ一致していることを明らかにした。本試験研究の目的の一つである、顕微測光法にパッチクランプ法を加えて、光学的電気的多現象同時測定装置を作製することは達成された。最終目的は、本装置を用いて近年開発されつつある光照射で解離・活性化されるcaged化合物を適用して中枢神経系ニュ-ロンにおける細胞内因子の機能解明にあたるということである。これまでに発表されているcaged神経伝達物質は、その低い光分解能率と生物活性についての実験が不十分で、実用にならない物であった。第一年度より新しい高性能のcaged化合物の開発を、独立した装置での予備実験として進めてきた。その成果として、本年度は神経伝達物質の代表としてglycineのcaged化合物を選び8種類に及ぶ光分解分子団との組合せから、13種類のcaged glycineを合成した。これらのcaged化合物の光化学的性質と、単離中枢神経細胞を用いた生物検定を行い、これまでにない高性能の光分解分子団を見いだすことに成功した。最終年度には、新しいcaged化合物を含めたcaged化合物の光学的電気的多現象同時測定装置への応用を可能とすべく、生物・光学・化学系の3つが調和をとって研究を進展させていく必要がある。現在、新しいcaged化合物の光化学的性質にあった装置の改良を計画している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Aibara,K.& AKaike,N.: "Acetylcholine-activated ionic currents in isolated paratracheal ganglion cells of the rat." Brain Res.558. 20-26 (1991)
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[Publications] Shirasaki,T.,Klee,M.R.,Nakaye,T.& Akaike,N.: "Differential blockade of bicuculline and strychnine on GABA-and glycine-induced responses in dissociated rat hippocampal pyramidal cells." Brain Res.561. 77-83 (1991)
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[Publications] Takahashi,K.,Ueno,S.& AKaike,N.: "Kinetic properties of T-type Ca^<2+> currents in isolated rat hippocampal CA1 pyramidal neurons." J.Neurophysiol.65. 148-155 (1991)
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[Publications] Harata,N.,Tateishi,N.& Akaike,N.: "Acetylcholine receptors in dissociated nucleus basalis of Meynert neurons of the rat." Neurosci.Lett.130. 153-156 (1991)
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[Publications] Akaike,N.,Harata,N.& Tateishi,N.: "Modulatory action of cholinergic drugs on N-methyl-D-aspartate response in dissociated rat nucleus basalis of Meynert neurons." Neurosci.Lett.130. 243-247 (1991)
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[Publications] Akaike,N.,Harata,N.,Ueno,S.& Tateishi,N.: "GABAergic synaptic current in dissociated nucleus basalis of Meynert neurons of the rat." Brain Res.570. 102-108 (1992)