1991 Fiscal Year Annual Research Report
形状記憶合金による一時血流遮断クリップの試作とその実用化試験
Project/Area Number |
02557054
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
岩渕 隆 弘前大学, 医学部, 教授 (20004567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 淳 東北大学, 選鉱製錬研究所, 助手 (00006032)
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Keywords | 血流遮断interruption of bloodstream / 記憶合金shape memory alloy / クリップtemporary clip / 脳血管手術cerebral vascular surgerv / 手術器械surgical instrument |
Research Abstract |
形状記憶合金は、予め熱処理に依って、其の際の形状を記憶し、其の合金特有の他の一定の温度に遭遇した場合に、予め記憶して居た形状を示す合金である。最近になって更に、2種類の異なる形を2種類の温度に依って、随意に取らせる事が可能な所謂全方位記憶合金が登場するに及んで、以前も科学研究費補助金の支援を得て基礎的研究を行なったが、其の際の加熱・冷却にはサ-モモジュ-ルを利用した(昭和58年59年度科学研究費補助金-試験研究I-研究成果報告書)。其の後、形状記憶合金の製法の進歩に依って、性能も向上し、クリップ自体を発熱体とした通電加熱法、高周波誘導加熱法等、操作性の良好で、安全度の高い方法の利用が可能になり、初年度及び第2年度は、主として研究分担者大川氏の手元で、研究代表者岩渕から提示された、脳手術の際要求させる条件に適合する形状記憶合金、加熱・冷却法を開発・改良する計画に従い、従来此の種合金の主流であったTiNi系のみならず、ステインレス系、TiPd系等、加熱・冷却法の種類に依る効率・安全に関して実験結果を集積して来た。これらの経験に基ずき、目的の性能を有する最終実用型の約3倍大の原形を作製する事に成功し、機能試験の結果も、大略満足出来るものであった。引き続き臨床応用に適する様小型化している所である。
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