1991 Fiscal Year Annual Research Report
超微量蛋白質一次構造解析用タンデム質量分析装置における制御システムの開発
Project/Area Number |
02558016
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Research Institution | Institute for Protein Research, Osaka University |
Principal Investigator |
下西 康嗣 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (00029951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貫名 義裕 日本電子株式会社, 質量分析開発グループ, グループ長
高尾 敏文 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (10197048)
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Keywords | タンデム質量分析用制御システム / 前駆イオンの自動捕捉 / フラグメントイオンの分析 / 磁場スウィッチング / 衝突活性化開裂 / 質量校正用標準物質 / 安定同位体 ^<18>O標識化 / 質量分析によるアミノ酸配列決定 |
Research Abstract |
本年度は前年度に設計、試作および動作確認を行なった磁場型タンデム質量分析用制御システム(第1、第2質量分析計の各々の電場、磁場を独立に制御する基盤、それらを自動連動させる基盤、及び、ソフトウエア-)を現有設備の蛋白質構造解析用高性能質量分析装置に導入、調整した。前年度に達成した試作装置の動作及び基本性能を再確認した試作装置の最終評価を行なうために、基礎デ-タの蓄積及び未知試料を含む種々の試料の測定を行なった。その結果、以下の点について当初の目的を達成することができた。 1.第1質量分析計においては、新開発の磁場スウィッチング、電場挿引機能により設定質量に対応する磁場強度の微小補正が可能になり、その結果、前駆イオンを50ppm以下の誤差で正確に捕捉できることとなった。また、最大4個までの前駆イオンの自動捕捉が行なえ、それらを別々に第2質量分析計へ導入、フラグメントイオンの測定が可能となった。 2.前駆イオンを捕捉する第1質量分析計の質量校正用標準物質としては、CsIとNaIの混合物が、衝突活性化開裂により前駆イオンから生成するフラグメントイオンの分析を行なう第2質量分析計では、CsI、KI、NaI、LiI、CH_3CNの混合物が、精度、校正質量範囲等において最適であることが解った。 3.当部門では、安定同位体 ^<18>O標識化を利用した質量分析によるペプチド、蛋白質の新規アミノ酸配列決定法の研究を行なっているが、本方法と上記試作システムを組み込んだタンデム質量分析装置を組み合わせることにより、質量分析によるアミノ酸配列決定が容易かつ確実に行えるようになった。また、それにより、218残基からなる免疫グロブリンL鎖、種々の天然生理活性ペプチドなどの一次構造を微量で決定した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Takao,H.Hori,K.Okamoto,A.Harada,M.Kamachi and Y.Shimonishi: "Facile Assignment of Sequence Ions of a Peptide Labelled with ^<18>O at the Carboxyl Terminus" Rapid Communications in Mass Spectrometry. 5. 312-315 (1991)
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[Publications] K.Yoshino,T.Takao,Y.Shimonishi and N.Suzuki: "Determination of the amino acid sequence of an intramolecular disulfide linkage-containing sperm-activating peptide by tandem mass spectrometry." FEBS Lett.294. 179-182 (1991)
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[Publications] K.Yoshino,T.Takao,Y.Shimonishi and N.Suzuki: "Tandem Mass Spectrometry of a New SAP-IIB Derivative Isolated from the Egg Jerry of the Urchin Stomopneustes Variolaris" Peotide Chemistry,. (1992)
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[Publications] J.Gonzalez,T.Takao,H.Hori,V.Besada,R.Rodriguez,G.Padron and Y.Shimonishi: "A Method for Determination of N-Glycosylation Sites in Glycoproteins by Collision-Induced Dissociation Analysis in Fast Atom Bombardment Mass Spectrometry" Analytical Biochemistry,.
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[Publications] 下西 康嗣: "蛋白質の一次構造解析ーエドマン分解から質量分析へー" 蛋白質・核酸・酵素. 36. 1509-1520 (1991)
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[Publications] 下西 康嗣・高尾 敏文・堀 英明: "マススペクトルによる蛋白質の一次構造解析" 蛋白質・核酸・酵素. 37. 627-640 (1992)