1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02610173
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
古賀 登 早稲田大学, 文学部, 教授 (90063304)
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Keywords | 両税法 / 唐代賦役制度 / 唐代の塩鉄・〓運制度 / 唐代の行政地図 |
Research Abstract |
本年度は「唐代編戸の移動表・図」を作製した。唐代には,貞観年間(627〜649)・開元元年(1113)、天宝年間(742〜756)元和年間(806〜820)の府州別手口統計が残されていが,それも電与化して地図上に記憶させた。北朝の制度を継承した唐の賦役制度が天宝末年におきた安史の乱によって崩壊し,南朝の税制を発展させた両税法ができあがってゆく過程が,編手の移動図によって,より明解に理解できるようになった。 また,両税法成立中に関する既発表の論文で全面的に書きかえ,近く「両税法成立史の研究」として刊行する予定である。構成は,前編,唐代賦役制度の再検討 本編 両税法の成立 I 建中初年の年支両税と両税解斗、両税銭 II 唐の地税とその展開 III 唐の序税とその展開 IV 江南の折納布 V 塩運改革と通貨の動き VI 中世農業技術の展開 VII 夏税・秋税の成立 VIII 唐代両税の三預収 IX 唐代両税法の地域性 後編 中国複合文化史試論 付 唐代州別編戸の移動表・図 となるであろう。 本研究の新しさは,安史の乱によって租庸調制が崩壊し,租庸調制時代にあった地税と戸税が増額されて両税法ができたとする従来の見方に対し,被災した華北では地税が主となったが,戦火からまぬがれた江南では資産税が主となり,そのやり方はすでに戦前から戸〓によって租をとる折納法を〓〓させたものであり,安史の乱後経済の重心が江南に移ったことにより,それが基本税となり,両税法ができたとする点にある。その説明に,前記の「唐代編戸の移動表・図」が極めて有効に利用されている。
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Research Products
(2 results)