1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02640226
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笹尾 登 京都大学, 理学部, 講師 (10115850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔵重 久弥 京都大学, 理学部, 助手 (20205181)
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Keywords | フラッシュランプ / 安定光源 / 短パルス光 |
Research Abstract |
現在まで大量の光電子増倍管を使用する実験に於いては、そのゲイン変動をモニタ-するために標準光源からの光を光ファイバ-により分配し、1本1本の光電子増倍管に導き、その光に対応する出力を検出する事でゲイン較正を行って来た。この際標準光源にとって重要な性質は、(a)光量がパルス毎に安定している事、(b)長寿命である事、(c)使用しているシンチレ-タ-等の光源と同じ様な波長で、同じ様な形の光パルスである事、(d)多数の光電子増倍管に一度に分配するため、充分な光量がある事、等である。今まで良く使われて来た標準光源としては、(1)窒素レ-ザ-及びダイレ-ザ-の組み合せ(2)発光ダイオ-ド(LED)、(3)キセノン(Xe)フラッシュランプ、等がある。これらの光源には各々に欠点がある。即ち(1)窒素レ-ザ-を用いたシステムは、短パルスではあるが光量の安定性に劣る。(2)LEDは光量が極端に少ない。(3)Xeランプは安定で長寿命ではあるが、光のパルス幅が長い。本研究の目的は、Xeランプの欠点を、ガス・放電回路・電極等に改良を加える事により、改良する事にある。当初計画どうり、今年度はガスの種類とガス圧を変化させる事、充電回路を適正化する事を試みた。その結果、(1)窒素ガスは他のガスに比較して比較的光パルスの幅が短い事、(2)キセノンは逆に光パルス幅は長いが、発光効率は良い事が分った。又(3)光量はガス圧を増化すると多くなる事、(4)それに対して光パルス幅もガス圧に若干依存するが、大きくは変化しない事が分った。更に、放電回路に関しては、光パルス幅を短かくするには、(5)クリティカルダンピングになる様にパラメ-タ-を調節する事が重要である事が分った。来年度の課題としては、電極構造を最適化する事、及び総合テストをする事がある。
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