1991 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン中の水素原子:ミュ-オニウム物性への足がかり
Project/Area Number |
02640260
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大塚 穎三 大阪大学, 教養部, 教授 (60029593)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 博保 大阪大学, 教養部, 助教授 (60116069)
|
Keywords | シリコン / 水素 / 不動態化 |
Research Abstract |
シリコン中の不純物が水素の注入により不動態化することが知られているが、我々はその機構を明らかにするため、低抗と赤外吸収の測定を行った。さらにシリコン表面に対する水素の効果について情報を得るため多孔質シリコンの研究も進めた。 表面より2μmまで不純物(B)をイオン注入した試料を水素プラズマ中で処理することによって水素を注入した。その結果190℃付近で処理した試料が最も大きな抵抗の変化を示した。さらにこの試料について赤外吸収を測定したところ1903cm^<-1>にBーH伸縮モ-ドによると思われるピ-クが観測され、不純物の近傍に水素が入っていることがわかった。抵抗の変化と赤外吸収量とは線型の関係があり、水素が不純物と対を作ることにより抵抗の増加が引き起こされている。 シリコン表面における水素の振舞を調べる目的で多孔質シリコンの可視域における発光と赤外吸収を測定した。P型シリコンを陽極として陽極化成法により多孔質シリコンを作製した。赤外吸収の測定より試料表面が水素によっておおわれていることがわかった。紫外線の照射により肉眼でも観測可能な発光が700nm付近で見られた。この発光の機構については3つの可能性がある。1つはシリコンの細線の形成による量子効果、2つ目は表面水素によるポリシラン的なバンド構造の変化、最後は表面のアモルフォス化である。どの可能性が発光の起源となっているのか見極めるため、現在、発光と吸収の測定を進めている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Ashraf Uddin: "Uniaxial Stress Effects on the Exciton System in Si and Ge" Proc.20th Int.Conf.Physics of Semiconductors,Thessaloniki. 1915-1918 (1990)
-
[Publications] 中田 博保: "Spectroscopy of photo excited Semiconductors" Proc.Int.Workshop on Spectroscopy and Optoelectronics of Condenced Matter.
-
[Publications] 西谷 輝: "Two peaks on visible photo luminescence of porous silicon" Proc.21th.Int.Conf.Physics of Semiconductors,Beijing.