1991 Fiscal Year Annual Research Report
ニュ-ラルネットワ-クによる高効率な最大クリ-ク抽出アルゴリスムの開発と評価
Project/Area Number |
02650261
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Research Institution | The Univesity of Electro-Communications |
Principal Investigator |
富田 悦次 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40016598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横森 貴 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (60139722)
武田 光夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00114926)
高橋 治久 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (90135418)
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Keywords | ニュ-ラルネットワ-ク / クリ-ク / 近似アルゴリズム / 確率化アルゴリズム / ボルツマン機械 / グラフ |
Research Abstract |
Boltzmann機械の概念を基礎として、グラフ中の最大あるいはそれに近いクリ-クを抽出する確率アルゴリズムの基本を昨年度の研究において開発したが、本年度においては、その特性を詳細に検討し、より高精度・高効率化を達成した。 すなわち、先ず詳細実験の結果、前アルゴリズムでは、極く特殊な場合、短時間しかクリ-ク抽出過程を経なかった場合には、解精度((抽出された極大クリ-クの大きさ)/厳密に最大のクリ-クの大きさ))の若干の低下が生じ得ることがわかった。従ってそれに対処するため、コスト関数を一般化して解候補の探索が広い範囲にわたる様にし、最終的にその候補の中から厳密に適格な解のみを抽出することにした。これにより、種々多くの条件下のグラフに対し、非常に安定して良好な精度の解が得られるようになった。 一方、解精度よりも実行時間の高速性の方がより重要となる場合もあるため、確率処理を除いた決定性アルゴリズムも開発し、さほど解精度を低下させることなく、実行時間を前記確率アルゴリズムの1/10以下にすることに成功した。さらに、前記確率アルゴリズムと決定性アルゴリズムを組み合せることにより、解精度・実行時間共に優れたアルゴリズムを確立し、その性能を大量の計算機実験により実証した。また、従来の探索型、およびHopfielaネットワ-クを用いた最大クリ-ク抽出アルゴリズム等も評価対象として実働化し、それらよりも、本研究で開発したアルゴリズムが格段に優れていることを確認した。 また、最大クリ-ク抽出問題は、対象グラフが刻々時間的に変動する場合にも対応できるように要求されることがあるが、その様な場合にも、前記アルゴリズムは単純な変更により容易に適用可能となることを明らかにし、実験的に確認した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 富田 悦次: "近似最大クリ-クを抽出する多項式時間アルゴリズムとその実験的評価" 電子情報通信学会論文誌Dー1. J74ーDー1. 307-310 (1991)
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[Publications] 山田 義朗: "ボルツマンマシンの概念を応用した近似最大クリ-ク抽出アルゴリズムの実験的評価" 電子情報通信学会コンピュテ-ション研究会技術研究報告. COMPー91. 63-68 (1991)
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[Publications] 山田 義朗: "ボルツマンマシンの概念に基づいた近似最大クリ-ク抽出アルゴリズムとその実験的評価" 電子情報通信学会論文誌DーI.
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[Publications] 本村 陽一: "連続関数の領域区分近似を実現するネットワ-ク" 電子情報通信学会非線形問題研究会技術研究報告. NLPー91. 1-8 (1991)
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[Publications] 若月 光夫: "単純決定性プッシュダウンオ-トマトンの等価性判定の改良分岐アルゴリズムとその最大時間計算量" 電子情報通信学会論文誌DーI. J74ーDーI. 595-603 (1991)
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[Publications] Noriyuki TANIDA: "PolynomialーTime Identification of Strictly Regular Launguages in the Limit" IEICI Trans.on Information and Systems. E75ーD. 125-132 (1992)
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[Publications] 富田 悦次(共著): "オ-トマトン・言語理論" 森北出版, 200 (1992)