1990 Fiscal Year Annual Research Report

VA菌根形成に伴うマメ科作物の落葉遅延と稔実促進機構の解明

Research Project

Project/Area Number	02660062
Research Institution	Tokyo University of Agriculture and Technology
Principal Investigator	平田煕東京農工大学, 農学部, 教授 (70011872)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	杉山民二明治大学, 農学部, 専任講師 (80015099)
Keywords	VA菌根菌 / 黒ボク土 / マメ科作物 / 落葉遅延 / 稔実促進 / 植物ホルモン / サイトカイニン / りん栄養
Research Abstract	1.本学農場の飼料畑(多腐植盾黒ボク土)に生息するVA菌根菌の90%以上は、Glomus属であるが、その中の優占種(未同定、黄色壁、Gl.claroidesに酷似以下.gYと略)と、Gigaspora marganta(以下marと略)に対するダイズ,ヒヨコマメ,ササゲ,キマメ,ラッカセイの生育反応をγ線殺菌培地土壌で追った。りん肥決度がかなり高い(BrayIIーP50〜70ppm)培地条件下でも、VA菌根形成に伴う落葉抑制、稔実促進は顯著であり,同レベルの感染率下でのその効果はgY>marであった。 2.γ線殺菌した高肥決度の野菜畑土壌を用いて、りん施用を十分に行った条件下で.ダイズをポット栽培し、VA菌根菌(gY VAM)の存在の有型下における生育量,養分吸収量そしてxylemsap茎葉,莢実,根に含まれるサイトカイニン量の差異を追跡しつつある。生育ステ-ジに沿って5回試料採取を行い.現在分析途上であるが、得られた成果の現段階は次の通りである。 (1)生育量では、葉重においてVAM区が高く推移したが、地上部總重、莢重、根重にはVAM有無の差は殆んどみられなかった。落葉はVAM区が60〜70%低く、抑制がみられたが、稔実促進現象は今回は起らなかった。また、上位3葉の總クロロフィル含量には、VAM有無の差はなかった。 (2)地表面より4cm位置で茎を切断し、ガラスキャップを接績してxylemsapを10時間採取,その量は個体当り0.5〜4.5mlで莢実形成初〜中期に高かったが、その後低下した。5回試料分を合して、アスランサス,ベタシアニンBioassay法でサイトカイニンを定量した。xylemsap中のそれは、VAM区8.0×10^<ー7>,対照(nonVAM)区2.0×10^<ー7>M/lと両者で4倍の開きがあった。莢実部からの抽出部には共雑物の影響で正確な値が得られなかったが、ひと桁低い含量で、両者に差はなかった。今後は、VAM形成に伴うサイトカイニンの盾,量とマメ作物の生育との因果関係を、より詳細に追究して行く予定である。

Research Products

(7 results)

All Other

All Publications (7 results)

[Publications] PASOLON,P.B.and HIRATA,H.: "Growth and nutrient uptake of upland rice intercropped with legumes as affected by VesicularーArbuscular mycorrhiza." SOIL SCIENCE and PLANT NUTRITION.
[Publications] 石川順也.杉山民二.平田煕: "VA菌根形成に伴うマメ科植物の落葉遅延とサイトカイニンの挙動" 日本土壌肥料学雑誌.
[Publications] AHIABOR,B.D.and HIRATA,H.: "Comparative responses of cowpea,pigeonpea and groundnut to two species of VA mycorrhizal fungi." SOIL SCIENCE and PLANT NUTRITION.
[Publications] 斎藤龍司・平田煕: "VA菌根菌接種源の差異がダイズ,コムギの生育反応に及ぼす影響" 日本土壌肥料学雑誌.
[Publications] 佐藤喬・平田煕: "異なるりんレベルの黒ボク土におけるダイズの生育に及ぼすVA菌根菌の影響" 日本土壌肥料学雑誌.
[Publications] OHWAKI,Y.and HIRATA,H.: "Plant NutritionーPhysiology and Applicationー171ー177,“Phosphorus absorption by chickpea as affected by VA mycorrhiza and carboxylic acids in root exudates."" M.L.van Beusichem (Ed.) Kluwer Academic Publishers,819 (1990)
[Publications] 小林紀彦・新海一禎・平田煕: "植物栄養実験法 p.100ー113「VA菌根菌と草本植物」" 植物栄養実験法編基委員会編日本土壌肥料学会監修博支社, 488 (1990)

1990 Fiscal Year Annual Research Report

VA菌根形成に伴うマメ科作物の落葉遅延と稔実促進機構の解明

Principal Investigator

平田 煕 東京農工大学, 農学部, 教授 (70011872)

Research Products

[Publications] PASOLON,P.B.and HIRATA,H.: "Growth and nutrient uptake of upland rice intercropped with legumes as affected by VesicularーArbuscular mycorrhiza." SOIL SCIENCE and PLANT NUTRITION.

[Publications] 石川 順也.杉山 民二.平田 煕: "VA菌根形成に伴うマメ科植物の落葉遅延とサイトカイニンの挙動" 日本土壌肥料学雑誌.

[Publications] AHIABOR,B.D.and HIRATA,H.: "Comparative responses of cowpea,pigeonpea and groundnut to two species of VA mycorrhizal fungi." SOIL SCIENCE and PLANT NUTRITION.

[Publications] 斎藤 龍司・平田 煕: "VA菌根菌接種源の差異がダイズ,コムギの生育反応に及ぼす影響" 日本土壌肥料学雑誌.

[Publications] 佐藤 喬・平田 煕: "異なるりんレベルの黒ボク土におけるダイズの生育に及ぼすVA菌根菌の影響" 日本土壌肥料学雑誌.

[Publications] OHWAKI,Y.and HIRATA,H.: "Plant NutritionーPhysiology and Applicationー171ー177,“Phosphorus absorption by chickpea as affected by VA mycorrhiza and carboxylic acids in root exudates."" M.L.van Beusichem (Ed.) Kluwer Academic Publishers,819 (1990)

[Publications] 小林 紀彦・新海 一禎・平田 煕: "植物栄養実験法 p.100ー113「VA菌根菌と草本植物」" 植物栄養実験法編基委員会編 日本土壌肥料学会監修 博支社, 488 (1990)

平田煕東京農工大学, 農学部, 教授 (70011872)

[Publications] 石川順也.杉山民二.平田煕: "VA菌根形成に伴うマメ科植物の落葉遅延とサイトカイニンの挙動" 日本土壌肥料学雑誌.

[Publications] 斎藤龍司・平田煕: "VA菌根菌接種源の差異がダイズ,コムギの生育反応に及ぼす影響" 日本土壌肥料学雑誌.

[Publications] 佐藤喬・平田煕: "異なるりんレベルの黒ボク土におけるダイズの生育に及ぼすVA菌根菌の影響" 日本土壌肥料学雑誌.

[Publications] 小林紀彦・新海一禎・平田煕: "植物栄養実験法 p.100ー113「VA菌根菌と草本植物」" 植物栄養実験法編基委員会編日本土壌肥料学会監修博支社, 488 (1990)