1991 Fiscal Year Annual Research Report
酵素分解による使用済み情報関連用紙の有効利用に関する研究
Project/Area Number |
02660165
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Research Institution | Obihiro Univ. of AGR. & VET. MED. |
Principal Investigator |
奥山 寛 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00003096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 康夫 北海道大学, 農学部, 助手 (90161918)
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Keywords | 使用済み情報用紙 / オゾン処理 / リグニン含有率 / 全細孔容積 / 酵素糖化 |
Research Abstract |
平成2年度に得られた研究結果を踏まえて、本年度は、新聞紙、週刊誌およびコピ-用紙などの使用済み情報関連用紙の酵素糖化性に対するオゾン処理の効果を検討した。得られた研究結果の概要は次の通りである。 新聞紙および週刊誌は主に機械パルプを原料としているため、高いリグニン含有率と小さい全細孔容積を示した。一方、コピ-用紙からの古紙は漂白クラフトパルプ(B・KP)から構成されており、低いリグニン含有率を示した。このコピ-用紙の全細孔容積は多様な填料を含んでいるためKPよりも低い値を示した。 オゾン処理は、古紙のリグニン含有率を減少させるとともに全細孔容積を増加させる効果があると判断された。 機械パルプの繊維壁からの脱リグニン様式は紫外線顕微鏡を用いて追跡した。この観察結果は、オゾン処理の初期でオゾンがパルプ繊維細胞表面のリグニンを攻撃し、次第にパルプ繊維壁内部にまで反応が進んでいくことを示した。 オゾン処理は、セルラ-ゼPー300に対する古紙の酵素糖化性を増加させた。新聞紙と週刊誌からの古紙の場合においては、酵素糖化の程度がリグニン含有率と全細孔容積に依存していると考えられる。一方、コピ-用紙からの古紙の酵素糖化性の向上は、オゾン処理によるパルプ繊維からの填料の溶出と全細孔容積の増加によるものと思われる。 以上の結果、オゾン処理が古紙の酵素糖化性を向上させる効果的な方法のひとつであることが明らかにされた。
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