1991 Fiscal Year Annual Research Report
高機能性材料としてのセルロ-ス誘導体の開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
02660170
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
平井 信之 静岡大学, 農学部, 教授 (70023439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 宗宏 理化学研究所, 生体高分子物理, 研究員 (50087409)
祖父江 信夫 静岡大学, 農学部, 助教授 (50023495)
鈴木 恭治 静岡大学, 農学部, 助教授 (00109133)
甲斐 勇二 静岡大学, 農学部, 教授 (60022068)
滝 欽二 静岡大学, 農学部, 助教授 (00022252)
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Keywords | セルロ-ス誘導体 / 機能性セルロ-ス / 圧電緩和 / ニトロセルロ-ス / シアノエチルセルロ-ス / シアノエチル化木材フィルム |
Research Abstract |
昨年度に引き続き電気的特性を持つと考えられるセルロ-ス誘導体を合成し,電気的特性として圧電性,誘電性,さらに力学的性質について検討を行った。本年度は特に硝酸セルロ-スについて検討を行った。昨年度の実験では硝酸セルロ-スフィルムの延伸が10%程度で,高配向の試料を得ることが出来なかった。本年度は熱ロ-ラ延伸により約100%の延伸試料を得ることが出来た。置換度の異なる硝酸セルロ-スを合成した。置換度の異なる試料の圧電性を比較すると置換度の大きいほうが高い値を示した。また同じ置換度の場合,配向度の高いほうが高い圧電率を示した。昨年度では6×10^<-13>C/Nの値を示したが,本年度は昨年度の2〜3倍の値を得ることだ出来た。さらに高圧電性の硝酸セルロ-スを得るために現在検討を続けている。一つには高延伸の高配向度の試料を得ることである。また硝酸セルロ-スを合成する前に,セルロ-スの分子鎖を切断し重合度を落とすことにより,より結晶性の高イセルロ-ス誘導体を得ることが出来るものと考えられる。現在,酸加水分解によりセルロ-スの重合度を落としたものと,放射線により重合度を落としたものを用意し硝酸セルロ-スを合成し圧電性を調べつつある。一方,高圧電性を示す硝酸セルロ-スの圧電性,誘電性,力学特性を検討している。合成した硝酸セルロ-スを熱延伸をした場合にその過程で,分子鎖の配列仕方あるいは結晶性の異なる硝酸セルロ-スが生じていると考えられる。圧電性,誘電性,弾性の温度特性を調べると,これらの温度分散がみられる。それらの温度は-80℃,-10℃,70℃および130℃であるが,圧電性の低い試料では130℃の温度分散が認められずに,また弾性率も50℃付近から急激に低下してしまう。
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