1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660226
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Research Institution | Kushiro Public University of Economics |
Principal Investigator |
西村 正一 釧路公立大学, 経済学部, 教授 (70003043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 時久 北海道大学, 農学部, 教授 (60137388)
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Keywords | 十勝地方 / 黒毛和種 / 繁殖経営 / 肥育経営 / 一貫経営 / 肉用子牛不足払制度 / 食肉需要 |
Research Abstract |
平成4年度は、これまでの2年間にわたる調査・研究で不十分な点を補足的に調査することとした。昨年度は十勝の音更町の調査を行ったが、さらに音更町の肥育経営と畑作・繁殖経営の実態を調査した。また清水町の大規模一貫経営の事例について調査したが、これは通常の流通ルート以外に生産者とデパートなどの小売段階やレストランを直結する経営の例である。北海道全体の肉牛飼育、流通、関連政策については北海道畜産会、北海道畜産物価格安定基金協会、北海道農政部酪農畜産課、ホクレン酪農畜産統括本部肉牛課、同家畜販売課において担当者から実状の聞き取りをしつつ資料の収集につとめた。なお、黒毛和牛の繁殖経営の問題点についてはさらに実状を知るために最終調査を平成5年2月に十勝の豊頃町で行った。また同町では近年の乳雄価格低落を見越した乳雄から黒毛肥育への転換を行った大規模経営の実状をもあわせて調査した。同様の調査を同月十勝の大樹町でもおこなった。ここでは繁殖経営と黒毛一貫経営の双方について調査した。 3年にわたる調査・研究の結果、北海道における和牛生産には特に繁殖経営において相対的有利性は認められるものの、肥育技術の開発・普及に困難な点があり当面は和牛、とりわけ黒毛の繁殖経営が増加する可能性の強いことが明かになった。府県に比較して一戸当たり繁殖素牛飼育頭数の多いこと、飼料基盤と担い手において府県の零細経営と決定的に異なる点が特徴的である。今回の調査では北海道に関しては十勝の事例調査に限定せざるを得ず、全道的な実態を明らかにしたとは言えない。また畑作との複合経営としての繁殖経営が多く、経営部門間の関係についても充分明らかになったとは言えない。これらの点については今後機会を得てさらに検討したい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 西村 正一他: "国際化時代の寒地畑作問題を考える" 北農. 57-3. 22-27 (1990)
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[Publications] 土井 時光: "自由化品目その後・飼料穀物(その1,その2)" デーリィマン. 41-11,12. 73,51- (1991)
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[Publications] 天間 征編著(永木 正和,土井 時久分担執筆): "価格の国際比較-農業資材編-" 農山漁村文化協会, 262 (1991)