穀類乾燥機の学習的制御のための基礎研究

1990 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 02660247
• Research Institution: Iwate University
• Principal Investigator: 西山 喜雄 岩手大学, 農学部, 助教授 (90003764)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 亀岡 孝治 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (90177600) ; 木村 俊範 岩手大学, 農学部, 助手 (60111241)
• Keywords: 穀物 / 乾燥 / 学習的制御 / 品質 / 近赤外線分析 / ニュ-ラルネットワ-ク

Research Abstract

本年度は、穀類乾燥の学習制御法構築のための実験用乾燥機(容量籾60kg)を作製して、数回の乾燥実験を行い、そこから得たサンプルで品質判定を行った。本機は、空気温度、穀物循環速度及び風量が制御でき、品質判定としては、穀粒温度および単粒水分計による平均水分と水分むら(標準偏差)がオンラインで計測できる他、随時にサンプルを自動的に採取して、インペラ籾すり機で脱ぷした試料から、手動によって、NIR分析機および品質判定機で、食味、胴割り、砕粒率、着色粒率などを検出できる。インペラ籾すり機では、23%程度の高水分の籾でも脱ぷできることを明らかにできたので、乾燥の初めから終わりまで籾サンプルを脱ぷして、玄米状態で食味判定や品質判定が可能なことがわかった。
また、NIRによる高水分の玄米試料からの食味判定においても、従来の乾燥玄米(または精白米)試料からの食味値と相関の高い、信頼性の高い食味値が得られることが明らかになった。
また、食味値の精度を高めるために、ニュ-ラルネットワ-クやファジ-による判定法の開発を行い、良好な結果を得た。このような手法は乾燥機の学習的制御に応用が可能と考えられる。
来年度は乾燥機のオンラインデ-タやサンプルからの食味値や品質値から、学習的制御法によって、高品質米を乾燥するアルゴリズムを検討したいと考える。

Research Products

• [Publications] 西山 喜雄: "高品質米製造のための生籾状態での品質予測" 農業機械学会講演要旨. 50. (1991)
• [Publications] 西山 喜雄: "インペラ式籾すり機の動力学解析(第2報)" 農業機械学会誌.
• [Publications] 亀岡 孝治: "機器分析により味覚の予測を行なうシステム(食味計)へのニュ-ラルネットワ-ク,ファジ-理論の応用" ファジ-システムシンポジウム前刷集. (1991)
• [Publications] 木村 俊範: "NIR分析によるインディカ米,パ-ボイル米の品質評価" 農業機械学会講演要旨. 50. (1991)