1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660268
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庄司 芳男 東北大学, 農学部, 助手 (60005642)
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Keywords | 自由採食量 / 選択採食 / 飼料通過速度 / 季節変動 / ニホンジカ |
Research Abstract |
去勢ニホンジカ5頭を用いて、染色アルファルファ・ヘイ・キュ-ブを給与し、飼料通過速度および採食量の季節変動を検討した。その結果、採食量は冬(2月)に減少し、春(5月)、夏(8月)、秋(11月)にはほぼ等しく、冬よりも高値を示した。飼料通過速度は夏、秋および冬と比較して、春には有意に速かった。また、採食量と飼料通過速度との間には有意な相関は認められなかった。 ニホンジカ18頭の群(成雄1頭、成去勢雄7頭、幼雄3頭、成雌5頭、幼雌2頭)を用い、'90年9月1日から'91年8月31日までの一年間にわたって、群全体の粗飼料の選択採食性および採食量を調査した。あわせて体重の変動についても追求した。すなわち、飼料としては、(1)破砕アルファルファ・ヘイ・キュ-ブ、(2)一番刈オ-チャ-ドグラス乾草、(3)ススキ主体野乾草、(4)乾燥稲ワラを十分量給与し、自由採食とした。毎月始めに個体別に体重を測定し、10日に群全体の採食量を測定した。その結果、体重変化に最も顕著な季節性を示したのは、当才の幼ジカで、雄雌ともに増体は冬期(12〜3月)にほぼ完全に停滞した。成ジカでは冬期に体重が減少する傾向にあった。成雄では、繁殖期(9〜11月)に、成雌では出産期(5〜6月)に体重の減少が認められた。採食量は11月から減少し始め、2月に最低となり4月まで同程度を維持し、その後、夏にかけて急増した。冬期の採食量減少は、体重変化の季節性の一原因と考えられた。また、各飼料の選択採食性については、季節を問わずアルファルファ・ヘイ・キュ-ブが圧倒的に多く、年間を通じで8%以上であり、季節による選択採食性の変化は認められなかった。
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