1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02660311
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
利部 聰 山口大学, 農学部・家畜解剖学, 助手 (90009548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧田 登之 山口大学, 農学部・家畜解剖学, 教授 (90035105)
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Keywords | ホロホロ鳥 / 下垂体 / 濾胞構造 / 去勢 / 分泌細胞 / 光学顕微鏡 / 電子顕微鏡 / アポクリン分泌 |
Research Abstract |
I.ホロホロ鳥下垂体の光学および電子顕微鏡による連続切片を作製しそれらによる二次あるいは三次元画像解析を行った。その結果:(1)濾胞腔は円柱状あるいはY字状等の形状をしており,盲端に終っていることが判明した(新知見)。(2)濾胞腔の大きさは短径40μから,長径は900μ近くに達するものもあり,その大きさは大小様々であった(新知見)。この大小様々な濾胞腔の大きさの相違は濾胞腔内の内容物の有無によるものと思われ,それはまた,同時にその鳥の生理学的な状態を現わしていると考えられる。II.精巣および卵巣の摘出では下垂体の各標的細胞は従来の鳥類の報告と一致した。また,標的細胞は所謂印環細胞として認められ,粗面小胞体の著しい拡張が認められた。III.濾胞腔内への分泌様式については透過型および走査型電子顕微鏡でアポクライン様の分泌様式が認められた(新知見)。また,濾胞腔壁にはマイクロビライが存在し,その数は濾胞腔内の内容物の量と深く関連しており,分泌様式との関係も示唆された(新知見)。濾胞腔内の内容物は光学顕微鏡では,PAS,酸フクシン,オレンジGおよびアニリンブル-等の色素に好染した。これは下垂体分泌細胞顆粒の染色性と同様であった。また,この濾胞腔内の内容物は電子顕微鏡では,電子密度の高低のあるものとして観察され,周囲の分泌細胞内の顆粒と同程度の電子密度を有していた(新知見)。IV.精巣,卵巣摘出時には濾胞腔は拡大しているにも拘わらず,内容物は殆んど存在しなかった(新知見)。このことは去勢により下垂体ホルモンが濾胞腔を介して,血液中に盛んに分泌されていることを示唆し,また同時にこの濾胞腔のサイズと内容物の変化は,各ホルモン産生時の状態に深く関連していることが判明した(新知見)。
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