1990 Fiscal Year Annual Research Report
ライフスタイルによる赤血球膜脂質変化の健康指標としての応用
Project/Area Number |
02670067
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澄川 一英 大阪大学, 健康体育部, 講師 (00158982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足達 綱三郎 神戸女学院大学, 家政学部, 教授 (70064516)
井上 保 大阪大学, 健康体育部, 助手 (00203240)
大河内 寿一 大阪大学, 健康体育部, 教授 (60028488)
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Keywords | 赤血球膜脂質 / 運動能力 / 体格 / ライフスタイル / 加齢 |
Research Abstract |
イアトロスキャン納入以前は、予備実験として赤血球ゴ-ストから抽出した脂質のTLC、ヨ-ド発色法による定性分析を主として行ったが、30名の学生健常者では顕著な差が認められなかった。またTLC、リン酸定量より求めたリン脂質組成の平均モル%は過去の報告とよく一致した。イアトロスキャン納入後は、コレステロ-ルアセテ-トを内部標準とする赤血球膜脂質分析条件の検討を行い、その過程でコレステロ-ル/ホスファチジルエタノラミン比が年令により異なる傾向があることが示された。しかし、現在まで検討した学生では運動能力、体格の違いで明らかな差は認めていない。赤血球膜リン脂質の脂肪酸分析はTLCにて分離したホスファチジルコリン(PC)、ホイファチドルセリン(PS)についてガスクロマトグラフを用いて行った。PCではC_<16:0>が成分として最も多くC_<20:4>で個体差が大きく、PSではC_<18:0>が主成分でC_<18:2>に個体差が大きかった。PC、PSの脂肪酸組成と生活習慣との関係については現在検討中である。運動能力と赤血球膜脂質の関係を明らかにするために行った本学学生の肥満群、正常体重非運動群、正常体重運動群の3群(27名)の自転車エルゴメ-タ-負荷による最大酸素摂取量は、それぞれ35.9、40.5、49.8ml/kg/minと明らかな差を認めた。血中脂質と赤血球膜脂質の関係を知る目的で、負荷時得られた血漿について過酸化脂質をTBA蛍光法にて測定した。血漿過酸化脂質は運動負荷前運動群で最も低く、運動負荷後肥満群では全員上昇したが、運動群では前値より低くなる者が多かった。このことから運動群では過酸化脂質処理能力が大きいことが明らかとなった。また現在まで得られている50例(35ー65才)の血漿では過酸化脂質は年令とともに上昇し、同年代では肥満者でより高値であった。しかし、喫煙、飲酒、運動などの生活習慣と過酸化脂質の間には明らかな関係は認められなかった。
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