1990 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト消化管に分布するリンパ球の特性とその増殖に関する分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
02670133
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三方 淳男 千葉大学, 医学部, 教授 (40051289)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯本 典夫 千葉大学, 医学部, 助手 (40203658)
|
Keywords | 消化管Tリンパ球 / 胃悪性リンパ腫 / PCR法 / T cell receptor / VJD結合 / Vβ2 |
Research Abstract |
胃および小腸原発の悪性リンパ腫10例について、免疫組織化学的検索と遺伝子解析を行った。9例はBリンパ腫で全例CD19,CD20,L26が陽性であった。多くの症例でCD3陽性のTリンパ球の混在が認められ、特にびまん性中細胞型例でその数が大であった。遺伝子解析ではJH8例、Cκ7例の再構成を認めたが、このうちの3例ではTCRβの再構成(2band1例)も認められた。これらの症例の組織型は中細胞型1例、大細胞型2例である。UCHLー1とMBー1の重染色によって、免疫組織化学的に同一の腫瘍細胞がB・Tリンパ球系の遺伝子の再構成を起こしている可能性(T・B dual lineage)も検討中であるが、従来の我々の経験や文献報告からはこの3例のBリンパ腫におけるTCRβ再構成バンドは、リンパ腫細胞以外の浸潤Tリンパ球に由来する可能性がより大きい。即ち、Bリンパ腫に浸潤するTリンパ球にもクロナリティがあると結論せざるを得なかった。これらTCRβ再構成例につき、そのVDJ結合についてVβ1ーVβ20のプライマ-を用いたPCRによるSouthern blottingの結合、2例はVβ2を使っていることが判明した。以上の結果より、消化管Bリンパ腫は、何らかの機序によって、Vβ2DJ再構成Tリンパ球のクロ-ン性増殖する誘導する可能性が考えられた。 現在、Vβ2 Productの単クロ-ン抗体作製を目指して準備中である。
|
Research Products
(2 results)