1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670220
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平岡 幸夫 広島大学, 医学部, 講師 (00144816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今田 敦司 広島山陽女子短期大学, 助教授 (00112201)
田中 純子 広島大学, 医学部, 助手 (70155266)
吉沢 浩司 広島大学, 医学部, 教授 (30109954)
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Keywords | 農薬 / 製剤 / 標準品 / 分解生成混合物 / 毒性比較 / Ames Test |
Research Abstract |
3種有機燐系殺虫剤(MEP乳剤、ダイアジノン乳剤、マラチオン乳剤)、ジフェニルエ-テル系除草剤(CNP乳剤)及び殺菌剤(キャプタン水和剤)の合計5種類の農薬について、その製剤と分解生成混合物の毒性比較をAmes Testを使用して行った。農薬を通常使用濃度に調製した後、自然光に1,2、4、8日間暴露した。各々の暴露終了後、分解生成混合物を残農測定用アセトンで洗い流し、農薬主成分の残存率を求め、それの減衰の推移を観察した。次に減圧濃縮器を用い、約60℃の水浴で内容物を乾固し、それにDMSO(dimethyl sulfoxid)を添加してAmes Testのための試験液を調製した。Ames Testは国立衛生試験所から譲与してもらったサルモネラ菌(Salmonella typhimurium TA98及びTA100)を用いて標準品、未分解の市販製剤及び分解生成混合物について行われた。農薬の自然光による分解率は農薬によって大きく異なり、キャプタンは暴露8日後でも15%しか分解しなかったが、ダイアジノンでは暴露8日後で95%分解した。MEP乳剤については、未分解の市販製剤に、ついで2日間暴露分解生成混合物最に強い変異原性が認められた。8日間暴露分解生成混合物にも弱いながら変異原性が認められた。一方キャブタン水和剤では標準品、未分解の市販製剤及び分解生成混合物いずれの場合においてもMEP乳剤に比較して桁違いに大きな変異原性を示した。8日間暴露分解生成混合物は標準品、未分解の市販製剤のいずれより強い変異原性を示した。 外国から輸入される農産物の有害性を検討する目的で市販のサンキストレモンの皮に付着するポストハ-ベストの変異原性についてAmes Testを試みた。その結果変異原性の有無については非常に微妙なところであり、今後更に検討されなければならないように思われた。
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