1991 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体腎炎における血小板由来成長因子とそのリセプタ-に関する分子生物学的検討
Project/Area Number |
02670277
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
飯田 博行 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (50126504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 正信 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (00115180)
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Keywords | 糸球体腎炎 / ル-プス腎炎 / 半月体形成性糸球体腎炎 / MRL / 1prマウス / 血小板由来成長因子 / 遺伝子発現 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
糸球体腎炎(以下腎炎)における血小板由来成長因子(PDGF)の意義を明らかにする目的で、半月体形成を高率に伴うマウス自然発症ル-プス腎炎の糸球体病変におけるPDGFの関与を検討した。 方法:ル-プス腎炎を自然発症するMRL/MpJー1pr/1pr(MRL/1)マウスおよび対照としてル-プス腎炎を発症しないMRL/MpJ+1+(MRL/n)マウスを各12匹用いた。生後8週齢と20週齢で各群6匹ずつ屠殺し、血液尿素窒素(BUN)を測定した。腎組織を光顕にて観察し、糸球体総細胞数と半月体形成率を算定した。ビオチン標識抗PDGF B鎖モノクロ-ナル抗体(PGFー007)を用い、免疫組織化学により腎組織のPDGF B鎖の局在を観察した。 結果:MRL/1マウスの20週齢群では、有意にBUNが上昇していた。一方、MRL/1マウス8週齢、MRL/nマウス8週齢、20週齢ではBUNの上昇はみられなかった。光顕ではMRL/1マウス20週齢において、糸球体に著明な細胞増多がみられ、糸球体総細胞数が有意に増加していた。また、半月体形成が18.5%の糸球体にみられた。免疫組織化学ではMRL/1マウス20週齢においてPDGF B鎖陽性細胞が糸球体および半月体に認められた。一方、MRL/1マウス8週齢およびMRL/nマウス8週齢、20週齢では、糸球体にPDGF B鎖陽性細胞は認められなかった。 まとめ:半月体形成を伴う増殖性腎炎を呈するマウスル-プス腎炎の糸球体病変にPDGF B鎖が関与することが示唆された。MRL/1マウスの糸球体におけるPDGFおよびそのリセプタ-の遺伝子発現については、現在検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Iida Hiroyuki: "Effects of the plateletーactivating factor antagonists CVー6209 and CVー3988 on nephrotoxic serum nephritis in the rat" Nephron. (1992)
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[Publications] Iida Hiroyuki: "Glomerulosclerosis in the rat induced by repeated immuneーmediated mesangial cell injury" Am J Kidney Dis.
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[Publications] 飯田 博行: "Annual Review腎臓1992(分担)" 中外医学社、東京, (1992)