1992 Fiscal Year Annual Research Report
悪性黒色腫におけるメラニン形成能を利用した生化学的指標に関する研究
Project/Area Number |
02670487
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
伊藤 祥輔 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (70121431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀越 貴志 札幌医科大学, 助教授 (40145587)
若松 一雅 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 講師 (80131259)
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Keywords | メラニン / 悪性黒色腫 / ドーパ / HPLC |
Research Abstract |
悪性黒色腫はメラニン形成という分化形質を有しており、これを利用した生化学的指標についての研究が進められてきた。5-S-システイニルドーパ(5-S-CD)及び6-ヒドロキシ-5-メトキシインドール-2-カルボン酸(6H5M12C)は、メラニン前駆体あるいはその代謝物であり、黒色腫組織で産生される。従って、これらのメラニン関連代謝物の血中濃度を測定することにより、黒色腫の病態を把握することが可能と考えられる。 1.悪性黒色腫患者の血清・尿中メラニン関連代謝物の定量: 悪性黒色腫患者(札幌医大)における、血清・尿中5-S-CD及び6H5M12Cの変動を定期的に追跡し、血清5-S-CDが病勢を最も鋭敏に反映することを明らかにした。症例のなかには画像診断による確定診断に先だって、転移巣の存在を示唆する異常高値(10nmol/L)を示す例もみられた。 2.HPLCによる血清5-S-CD定量法の改良: 従来の血清5-S-CD定量法における、HPLC分析時間が長い(80分)という問題点を改良した前処理法を開発した。これにより1検体当たりの分析時間が40分と半滅し、検体の処理能力が倍増した。 3.悪性黒色腫のマウス実験系の開発: 血漿20μL中の5-S-CDを定量する法を確立し、5-S-CD値が黒色腫の増殖をよく反映することを確認した。現在、本実験系を用いて、化学療法剤の効果と5-S-CD値との相関を調べている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 堀越 貴志: "血清5-S-CD(5-S-Cysteinyldopa)の変動と悪性黒色腫の予後" Skin Cancer. 6. 304-308 (1991)
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[Publications] 竹原 正輝: "女性性器原発悪性黒色腫における5-S-Cysteinyldopaの意義" 日本産婦人科学会雑誌. 44. 369-372 (1991)
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[Publications] Kazumasa Wakamatsu: "Comparison of melanin-related metabolites as markers of melanoma. Stability and correlation" Advances in Tryptophan Research 1992(Eds.I.Ishiguro,et al.),Fujita Health Univ.Press. 231-234 (1992)
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[Publications] Shosuke Ito: "Melanin-related metabolites as markers of melanoma:A review" Journal of Dermatology. 19. 802-805 (1992)
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[Publications] Takashi Horikoshi: "Serum 5-S-cysteinyldopa(5-S-CD) as a marker of melanoma progression" Journal of Dermatology. 19. 809-813 (1992)