1990 Fiscal Year Annual Research Report
輸血後GVHDの予防法としての血液製剤X線照射法の基礎的検討
Project/Area Number |
02670529
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
浅川 全一 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80125393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50125415)
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Keywords | リンパ球 / X線照射 / Graft vs host disease |
Research Abstract |
1.X線照射の至適条件の設定 X線照射装置は当院で一般放射線治療に用いられている線状加速器(リニアック)を使用した。血液パックに出来るだけ均一な線量を照射するために、オリ-ブ油を浸み込ませたガ-ゼで血液パックを被包したり、パックの表、裏に分割照射したりの工夫を行なった。0〜5000radまで段階的に照射した。 2.リンパ球の不活化効果の判定。 各々の予定線量の照射を行なった血液製剤からリンパ球を分離し、その分裂増殖能に対するX線照射の抑制効果につき ^3Hーthymidineの取り込み率を指標に検討した。同種抗原に対するリンパ球の反応性をみるリンパ球混合培養試験では500rad照射のみで、対象の10%以下まで ^3Hーthymidineの取り込みが減少した。次にphytohemagglut inin(PHA)をmitogenとし、照射リンパ球の分裂増殖能を検討すると、500rad照射で ^3Hーthymidineの取り込みは50%まで減少し、以後、照射線量を上げていくに従い、取り込み率は漸減し、500radでは10%以下になった。ConcanavalinーA(ConA)をmitogenとした検索でも、PHAと類似した傾向を示した。Graft vs.host disease(GVHD)は患者体内での自己リンパ球を同種抗原とした輸血リンパ球の増殖反応とも、とらえることが出来るので、リンパ球混合培養試験がその病態生理を最もよく反映していると考えられる。したがってX線の照射線量は500〜1500radで十分と考えられた。 平成3年度は、この線量照射時における赤血球機能の変化につき検討する。
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