1990 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌に対する放射線治療の基礎的臨床的研究ー外科治療との併用をめざしてー
Project/Area Number |
02670563
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石川 詔雄 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50134226)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 雅行 千葉大学, 真核微生物研究センター, 助教授 (00092073)
田中 栄之介 筑波大学, 社会医学系, 講師 (30138416)
大原 潔 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (10034125)
深尾 立 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (50091921)
|
Keywords | 肝細胞癌 / 部分肝照射 / 肝予備能 / 肝ミクロゾ-ム機能 |
Research Abstract |
本研究の目的は、体外部分肝照射を単独照射として、あるいは肝切除術の術前照射や術後照射と併用する際に必要な、部分肝照射の基礎的検討をおこなう事にある。今回は、特にラット肝に対する照射1ヵ月後、3ヵ月後及び6ヵ月後の影響を生化学的、病理学的に検討した。なお肝の生化学的検討は、肝ミクロゾ-ム機能検査法の一つであるトリメタジオン(TMO)負荷試験でおこなった。我々の開発したこの検査法は、肝のfunctional volumeを評価することが可能である。 方法と結果 ラット肝に対するX線照射の検討 ラット肝に全肝照射(20Gy〜40Gy)を1回おこないX線照射後の肝の変化を生化学的、病理学的に検討した。 全肝照射(20Gy,30Gy)群における肝の生化学的検討では、照射後特に大きな影響は受けなかった。 40Gy全肝照射群の肝の代謝能をTMO負荷試験で評価した。 TMO負荷試験の値は、照射1ヵ月後0.56±0.10(対照群0.38±0.06)3ヵ月後0.44±0.05(対照群0.64±0.07)そして6ヵ月後0.50±0.05(対照群0.67±0.10)を示し、照射群においては3ヵ月後、6ヵ月後は、対照群に比較して有意に低下した。 40Gy全肝照射後の病理学的検討では、1ヵ月後、3ヵ月後そして6ヵ月後の時点で肝小葉内の線維化はなく、門脈域の小葉間動脈や小葉間静脈そして小葉間胆管にも脈管壁や胆管壁の肥厚は認めない。 しかし3ヵ月後、6ヵ月後の肝細胞の核小体の変形を認めた。目下、核内の変化について検討中である。さらに照射後早期の変化についても検討中である。
|