1990 Fiscal Year Annual Research Report
細胞培養法を応用したハイブリッド型体内型人工食道の開発に関する実験的研究
Project/Area Number |
02670588
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
安藤 暢敏 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90101972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
愛甲 聡 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70202439)
北川 雄光 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20204878)
長島 敦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80198316)
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Keywords | 人工食道 / 細胞培養 / 培養表皮細胞浮遊液 / 細胞播種 / 培養表皮細胞シ-ト |
Research Abstract |
ハイブリッド型人工食道開発のため、表皮細胞培養を応用した以下の実験的研究をおこなった。 1.良質な結合織管作製のための表材の検討 (1)ステンレスメッシュ管、(2)シリコンコ-ティングステンレスメッシュ管、(3)ダクロン人工血管、(4)カ-ボングラファイト管、(5)グラスファイバ-メッシュ管をラット広背筋弁内に埋没して結合織管を作製した。(2)(5)において2〜4週で炎症反応の少ない新生血管に富む結合織管を作成し得た。 2.細胞播種による結合織管内腔の上皮化 これまでの検討によりラット背部皮膚をKGM(Keratinocyte Growth Medium)を培地として培養すると約2週で2.5〜3.0×10^6個/mlの培養表皮細胞浮遊液を作製し得る。これを1で作製した結合織管に注入播種し1〜4週後に摘出して組織学的に検討したところ、表皮細胞の一部は結合織上に生養した。生着した表皮細胞は重層化の傾向を示し、結合織管内腔上皮化の可能性が期待できた。しかし本法では管腔内全面の均一な上皮化は困難であった。これは播種細胞数の不足、注入法の不備などが問題点として考えられた。このため以下の3,4の実験をおこなった。 3.継代培養による細胞数増加の検討 2.の細胞浮遊液より回収した表皮細胞をKGMで継代培養したが細胞の増殖は認められなかった。これは細胞浮遊液作製時の酵素処理による細胞の損傷が大きいためと思われた。 4.培養表皮細胞シ-トの作製 表皮細胞をKGMで培養し、培養表皮細胞がディッシュの80%まで増殖した時点で培地を10%FBS入りKGMに変更した。FBSにより表皮細胞は分化が促進され重層化し、約2週後にディスパ-ゼ処理するとシ-ト状となった表皮細胞が回収できた。組織学的に観察したところ数層に重層化した偏平な細胞が認められた。現在培養表皮細胞シ-トを結合織管内腔へ移植することを検討している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 長島 敦: "人工食道実用化のための細胞培養法を用いた上皮化に関する実験的研究" 最新醫學. 45. 2059-2060 (1990)
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[Publications] 長島 敦: "培養表皮細胞を応用した人工食道の開発に関する実験的研究" 人工臓器学会雑誌. (1991)
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[Publications] 佐藤 道夫: "細胞培養法を応用した人工食道内腔の上皮化に関する実験的研究" 最新医学. (1991)