1990 Fiscal Year Annual Research Report
イレウス腸管における腸管内圧の変化および内圧除去による影響
Project/Area Number |
02670589
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
四方 淳一 帝京大学, 医学部・第一外科学教室, 教授 (10082083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 俊 帝京大学, 医学部・第一外科学教室, 助手 (30200174)
里井 豊 帝京大学, 医学部・第一外科学教室, 助手 (40215760)
三浦 誠司 帝京大学, 医学部・第一外科学教室, 助教授 (00165961)
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Keywords | イレウス / 腸管内圧 / 実験的腸管閉塞 |
Research Abstract |
イヌの小腸に実験的に完全閉塞を作成し、同時に内圧測定用のカテ-テルを挿入固定する事により、閉塞腸管内圧の変化を調べた。内圧の測定は、インフュ-ジョン式内圧測定装置(アンドルファ-・内圧測定システム:AMSー600)を用いることにより、生体に侵襲を加えずより生理的な腸管内圧を絶対値として測定することが出来た。さらに、帝京大学研究用コンピュ-タ-室の協力により作成された、腸管内圧解析用プログラムにより、内圧測定装置からのデ-タ-をパ-ソナルコンピュ-タ-に入力し、解析を行なうことが可能となった。 これらのシステムを用いて、イレウス時の腸管内圧を測定した結果、イヌの上部小腸(Treitz靭帯の下方約50cm)に完全閉塞を作成した場合においては、腸管内圧は閉塞後3日目の安静時でも平均約15mmHgで、正常時腸管内圧に比べて、著名な内圧の上昇は認められなかった。しかし今回測定された完全閉塞時の腸管内圧の値は、過去において報告された値よりも高い値を示している。これは今回の腸管内圧の測定が、閉腹・意識下においてなされた為と考えられ、より生理的なイレウス時の腸管内圧測定されたものと思われる。また、特にプロスタグランディン投与による腸管収縮時の内圧は平均約20mmHgで、一時的には50mmHgを越える値も記録された。しかし、これらの値は閉塞を作成していない正常の腸管内圧に比べて、さほど高い値ではなく、イレウス時の腸管内圧の上昇が直接的にイレウス時におこる血行動態の変化などの病態を引き起こすとは考え難い。 今後、実験的完全閉塞をイヌの小腸下部および結腸部に作成し、その後の腸管内圧の変化を追求するとともに、腸管内圧の上昇とケミカルメディエ-タ-などとの関連についても検討を加えたい。
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Research Products
(1 results)