1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670734
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上妻 志郎 東京大学, 医学部, 助手 (30143457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 信也 東京大学, 医学部, 助手 (90193979)
根本 明彦 東京大学, 医学部, 助手 (80221480)
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Keywords | 胎児行動 |
Research Abstract |
本研究の基礎となるデ-タを作成するため、正常ヒト胎児において頭部・眼球・躯幹部・上肢・下肢の運動を4台の超音波断層装置を同時に用いて観察し、それらの妊娠経過に伴う変化につき検討した。以下にその結果を示す。 躯幹部の運動は以下の4型に分類した。I,驚愕様運動(startle)ー持続の極めて短い全身性の運動で、妊娠28週まで高頻度に認められ、その後急速に減少する。II,回転運動(rolling)ー全身が回転する運動で妊娠24週以降によく認められるようになる。妊娠40週前後には時にまとまって頻発することがある。III,伸展運動(stretch)ー脊柱を背屈する運動で妊娠前半期から認められるが妊娠28ー31週の時期には高頻度に認められる。IV,もがき運動(writhing)ー四肢を含む全身の運動で、各部の運動は非協調的である。妊娠30週頃より認められ、その後はやや増加する傾向を示す。 上半身のみ・下半身のみの運動については、妊娠27週までは下半身のみの運動が優位であるがその後はほぼ同等となり、妊娠40週以降では上半身のみの運動が優位となる。四肢運動では上肢・下肢ともに妊娠24ー27週で最も活発で、その後減少する。しかし、前腕のみ・下腿のみの運動は妊娠後半期も減少しない。 口唇・舌・顎の運動については、妊娠中期より吸綴様運動や開口運動が認められる。吸綴運動はその後増加傾向を示し、妊娠32ー35週の時期に著しく増加する。開口運動は妊娠36ー38週では高頻度に認められる例が出現してくる。顔面や口唇の筋収縮は28ー31週頃よりよく認められるようになる。
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