1991 Fiscal Year Annual Research Report
急性歯周炎に関与する炎症性細胞の膜電位と変動パタ-ン
Project/Area Number |
02670848
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀内 博 東北大学, 歯学部, 教授 (00013962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯山 正夫 東北大学, 歯学部, 助手 (00193152)
佐伯 訓子 東北大学, 歯学部, 大学院生
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Keywords | 急性歯周炎 / 炎症性細胞 / 細胞膜電位 / 毛細管微小電極 / 歯肉溝滲出液 / GCF |
Research Abstract |
1.材料及び方法 (1)細胞の採取 臨床的に健康な歯肉を有するヒトの3〜3の頬側歯肉溝より、ガラス毛細菅を用いて歯肉溝滲出液(GCF)を採取した。あらかじめ直径3.5cmのシャ-レに分注し、CO_2インキュベ-タ-内で37℃に加温しておいた10%FCS加Eagle'sMEM培地(日水)にGCFを直ちに懸濁した。30分から1時間37℃でインキュベ-トし、細胞の沈降を確認後、実験に供した。 (2)電極 3M KCIを封入した直径1mmの芯入りガラス毛細管より調整した毛細管微小電極を3次元マイクロマニピュレ-タ-に取り付けて、細胞に刺入した。電極低抗は、3.92MΩ〜25.9MΩのものを用いた。不関電極として銀ー塩化銀電極をシャ-レ内の側方においた。 (3)膜電位の測定 シ-ルドル-ム内に膜電位測定のための実験系を設置した。微小電極用増幅器としてM701(WーPINSTRUMENTS.INC.)を用いた。 2.測定結果 細胞に電極を刺入すると、負の電位が観察された。この方法で測定した被験細胞の膜電位は、ー2.22mV〜ー17.6mVの間に分布し、平均値はー6.3mV、標準偏差は3.22(N=31)であった。 3.考察 GCF中の炎症性細胞の膜電位は、培養ヒト歯根膜由来線維芽細胞(PDL)を対象に同様の方法で測定できた膜電位値ー5.7mV〜ー33.5mV(N=92,平均値ー17.8mV)に比して小さめの値となった。この結果が細胞の種類の違いによるものか、GCF中の細胞が細菌等により損傷を受けているためか、あるいは培養細胞とそうでないものとの違いなのかは明らかでない。GCF中の細胞はポケット内で宿主の防御機転に携わっているため細胞の活性化度は種々のステ-ジにあると考えられる。一方、PDLにおいては培養時にconfluentな状態で放置し、増殖能が低下したような細胞では、膜電位が小さくなる傾向が認められ、細胞のactivityと膜電位の関係には興味がもたれるところである。細胞のactivityのマ-カ-に適したものを検索し、膜電位との対応を求めることにより細胞機能を新たな面から解明できるものと思われる。
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Research Products
(1 results)