1991 Fiscal Year Annual Research Report
日常臨床における作業環境および切削粉塵の分析とその影響に関する研究
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02670856
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
高橋 一祐 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (60085743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野呂 明夫 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90147231)
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Keywords | 切削時 / 吸入性粉塵 / 歯科医師個人曝露量 / 個人サンプラ- / XMA分析 |
Research Abstract |
昨年に引き続き、β様式質量濃度計を用い、東京歯科大学新水道橋病院ならびに2ヶ所の個人歯科医院診療室内の大気中浮遊粉塵濃度の測定・分析を行った。その結果、新水道橋病院では、診断時間中の平均1時間値(0.032mg/m^3)は、旧水道橋病院(0.078mg/m^3)の約1/2に減少し、手葉病院(0.016mg/m^3)に近づいた。また、2ヶ所の個人歯科医院の同数値は、それぞれ(0.030mg/m^3・0.034mg/m^3)で、新水道橋病院とほぼ同程度であった。この事から、新水道橋病院では、旧水道橋病院に比較して空調設備が大きく改善された。しかし、千葉病院に比較し診療室の容積比で約1/2、患者数で約2倍と言う事から依然として2倍2数値を示したものと思われる。個人歯科医院は、大学病院の診療室に比較し非常に狭いため、歯科診療内容により浮遊粉塵濃度が大きく変動する特徴を有していた。しかし、測定期間1ヶ月間で平均してみると、同濃度はほぼ大学病院と同程度であり、労働省のビル管理基準値(0.150mg/m^3)以下で、特に問題となるレベルではなかった。 次に、歯牙切削時における瞬間的な切削粉塵の発現状況とバキュ-ムおよび術者との位置的関係について、マネキンに天然抜去歯を埋め込みデジタル粉塵計(PCDー1型)で測定する切削モデル実験を行った。その結果、バキュ-ムを切削位置に対して適正な位置に置き操作した場合は、ほぼ完全に切削粉塵は吸引された。しかし、実際の臨床上は、視野や切削部位との関係あるいは処置の内容などにより、必ずしも指定された位置に固定出来ず、その場合は、かなりの粉塵が口腔外へ拡散・飛散することが判明した。今後は、これらの観点から診療室の空調設備の充実・空気清浄器の導入・防塵メガネ・マスク・大型バキュ-ム・サクションなどの検討が必要と思われる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 野呂 明夫,高橋 一祐,石川 達也,他: "日常歯科臨床における作業環境および切削粉塵の分析とその環境…新水道橋病院と個人歯科医院における浮遊粉塵の発現状況について" 日本歯科保存会雑誌. 34. 113 (1991)
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[Publications] 川又 恵里香,野呂 明夫,高橋 一祐,他: "日常歯科臨床における作業環境および切削粉塵の分析とその影響に関する研究…歯牙切削における各種条件での発塵状族について" 歯科学報. 91. 1389-1390 (1991)
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[Publications] 黒田 裕之,野呂 明夫,高橋 一祐: "日常歯科臨床における作業環境の改善に関する研究(第1報)…試作空気清浄器(真気発生機)の作用について" 歯科学報. 91. (1991)
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[Publications] 野呂 明夫,高橋 一祐,石川 達也,他: "日常歯科臨床における作業環境および切削粉塵の分析とその影響に関する研究…第1報、東京歯科大学3病院保存科診療室における浮遊粉塵の発現状況について" 日本歯科保存学会雑誌.
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[Publications] 野呂 明夫,高橋 一祐,石川 達也 他: "日常歯科臨床における作業環境および切削粉塵の分析とその影響に関する研究…第2報、保存科診療室における吸入性粉塵の個人曝露について、特にXMAにおける観察" 日本歯科学会雑誌.