1990 Fiscal Year Annual Research Report
コンポシットレジン修復窩洞の象牙質面処理剤に関する研究
Project/Area Number |
02670858
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
新海 航一 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (90147843)
|
Keywords | コンポジットレジン修復窩洞 / 象牙質面処理剤 / smear layer / dentinal plug |
Research Abstract |
1.象牙質透過試験の結果について (1)処理剤応用前、すなわち smear layerの存在する場合も生食水の象牙質透過を認めた。その透過量は試料により大きな差がみられた. (2)各処理剤応用後の透過率はKーエツチャント(以下KE):175.2±32.5%,ス-パ-ボンドC&B象牙質処理剤(以下SB):149.3±25.6%,デンチンコンディショナ-(以下DC):121.5±5.5%,5%アスコルビン酸(以下5AA):102.5±5.59%,10%アスコルビン酸(以下10AA):109.3±11.2%,15%EDTA(以下15ED):112.3±15.2%を示した。 (3)各処理剤の透過率をt検定により比較した結果、KEと15ED,DC,5AA,10AAとの間、SBとED,DC,5AA,10AAとの間、DCと5AAとの間に高度な有意差が認められた. 2.SEM観察の結果について KE応用面ではsmear layer,dentinal plugおよび管周基質の消失により象牙細管の漏斗状拡大が認められた.SB応用面はKE応用面と類似していたが、象牙細管の拡大程度はKEより小さかった。15ED応用面はsmear layerが完全に消失していたが、管周基質の脱灰傾向は少なく、dentinal plugも一部残存していた。5AA,10AA,DC応用面では、smear layerは完全に除去されていたが、管周基質とdentinal plugの一部残存により完全な象牙細管の開口は認められなかった。 3.1と2の結果よりsmear layerは象牙質透過性を完全に抑制することはできないが、処理剤応用後の象牙質表層の形態変化と透過性亢進との間には関連性があることが示唆された。特にdentinal plugと管周基質の脱灰消失による象牙細管の漏斗状拡大は象牙質透過性を亢進させる要因となるものと考えられる。
|