1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670867
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
重頭 直文 広島大学, 歯学部, 助教授 (10136111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 比呂司 広島大学, 歯学部, 助手 (40229993)
徳山 宏司 広島大学, 歯学部, 助手 (50188744)
玉本 光弘 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00136110)
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Keywords | 軟質義歯裏装材 / 無歯顎 / 義歯 / 粘膜調整 / 動的印象 / 健康調査票 |
Research Abstract |
義歯装着者を義歯に対する順応性の良否によって分類し、床下粘膜の評価と術前、術後の咀嚼機能スコア-による予後の判定を比較検討した。併せて既往歴、精神的および肉体的自覚症状等からなる健康調査標(KMI)との関連性について検討を行った。その結果,1.顎堤の状態と義歯に対する順応性との関連性は特に認められず,視診や触診等の口腔内診査では限界があると考えられた。2.咀嚼機能スコア-は両患者群共に術前に比べ術後では約1.5倍高くなった。しかし、義歯に順応しない患者群は術後でも、義歯による咀嚼機能に満足しない状態であった。一方、義歯に順応する患者群の多くは術後には義歯による咀嚼機能に満足する状態であった。3.健康調査票の集計結果、義歯に順応する患者の多くは既往歴、精神的および身体的な自覚症状が少ない傾向であった。一方、義歯に順応しない患者では上述の3項目ともに多い傾向であり、またその合計も多かった。 以上のことより、無歯顎患者の義歯治療を行う上で,口腔内の診査のみではなく,患者の患者の既往歴、精神的および身体的な健康状態を把握することが治療の難易の理解および治療方針決定等の治療進行上ならびに術後の経過に有効であると考えられる。 義歯難症例患者の口腔機能を改善するために義歯リベ-ス法,粘膜調整法,動的印象法および暫間裏装法等より連なる義歯調整法と義歯製作法を確立する必要がある。したがって粘弾性質から各種市販の暫間軟質義歯裏装材の臨床的な使用目的について分類し、それぞれの製品の用途に合った使用から臨床術式について検討した。結果の概略は、暫間軟質義歯裏装材を用いて、術者および患者の両者が納得のいくまで義歯床下および形態を調整し、その状態を最終義歯に置き換えて、義歯機能を最大限発揮できるようにすることである。
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[Publications] 村田 比呂司: "Tissue conditionerの臨床応用" 補綴臨床. 23. 558-561 (1990)
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[Publications] H.Murata: "Viscoelastic properties of tissue conditionersーstress relaxation test using Maxwell model analogy" J.Oral Rehabilitation. 17. 365-375 (1990)
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[Publications] 重頭 直文: "無歯顎患者の康康状態と補綴の予後" 老年歯科医学. 5. (1991)