1991 Fiscal Year Annual Research Report
歯牙喪失のリスクに関連する成人の歯科健康指標の開発に関する研究
Project/Area Number |
02670920
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
新圧 文明 大阪大学, 医学部, 助手 (30154389)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 範幸 大阪大学, 医学部, 助手 (90207829)
多田羅 浩三 大阪大学, 医学部, 教授 (20107022)
|
Keywords | 歯の喪失 / 歯周疾患 / 成人歯科健診 / 集団健診 / スクリ-ニング / 口腔清掃習慣 / 歯科受療状況 / 唾液潜血反応 |
Research Abstract |
1.大阪府下S市が40ー49歳の市民を対象として実施している成人歯科健診の昭和62年度から平成元年までの結果(受診者830名)をもとに、歯科保健に関する生活習慣と歯の喪失状況の関連について分析した。歯口清掃習慣について、「夜にも磨く」と回答した者、「普通」あるいは「硬い」歯ブラシ、およびナイロン製歯ブラシを使用している者において、喪失歯数が3本以上ある者の割合が有意に少なかった。また、歯科受診の状況については、「歯科医院で定期的に診査を受ける」、「歯科衛生士に指導をうけたことがある」とする者、口腔清掃について「夜にも磨く」、「1日2回以上磨く」、「歯ブラシを1ー3か月ごとに交換する」と回答した者において、未処置う蝕が3本以上ある者、CPITN3以上の者が少ない傾向がみられた 2.大阪府下N市において住民3000人を対象とした調査を行ない(回収総数1,713件、回収率58.3%)、日常生活における歯科衛生習慣や歯科受療の状況と、喪失歯数との関連について分折した。「料理の甘さを控える」、「甘いものを食べないようにする」、「食後に歯を磨く」、「痛みや異常を感じたら必ず歯科治療を受ける」などの日常的な生活状況を実行している者に、男女とも70歳以上において現在歯数が多い区分に属する者が有意に多いか、あるいはその傾向が認められた。また、「1年に1度くらい歯科医院で定期的な診査を受ける」、「定期的に歯科医院で歯の清掃をしてもらう」という行動に関しては、30歳台あるいは50歳台において、現在歯数との有意な関連が認められた。 3.兵庫県N町およびA市における成人歯科健診結果から、成人の歯の喪失のリスクとして歯周疾患の効果的なスクリ-ニング方法としては歯周疾患の部分診査法の他、自覚症状に関する問診、唾液潜血反応検査口腔清掃状態についての視診などが有用であることが示された。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Kozo Tatara,Fumiaki Shinsho,et al.: "Relation between use of health check ups starting in middle age and demand for inpatient care by elderly people in Japan" British Medical Journal. Vol.302. 615-618 (1991)
-
[Publications] 新圧 文明: "高齢者の咀嚼障害と健康管理としての歯科医療" 歯界展塑. 77. 789-794 (1991)
-
[Publications] 新圧 文明: "成人および老年者の永久歯喪失に関連する要因についての研究" 老年歯科医学. 6. 52-57 (1991)
-
[Publications] 加藤 武彦,山林 俊三,下川 公一,新庄 文明: "高齢者の補綴ーその問題点と日常臨床における対応の実際" 補綴臨床. 24. 123-157 (1991)
-
[Publications] 新庄 文明: "訪問歯科診療の現状と地域ケアワ-カ-との連携" 総合ケア. 1. 85-88 (1991)
-
[Publications] 新庄 文明ほか: "長寿社会における健康と歯ー8020運動の意義と課題;目標達成の可能性とその前提" 歯界展望. 78. 1103-1142 (1991)
-
[Publications] 新庄 文明: "これでなくせる歯の悩みーハツラツ中高年ライフをつくる8020運動" 農山漁村文化協会, 228 (1991)
-
[Publications] 新庄 文明: "成中・老人歯科保健の手引きー8020に向けた地球歯科保健の新しい展開" 医歯薬出版, 200 (1992)