1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670965
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
高橋 邦夫 明治薬科大学, 生薬学教室, 助教授 (40102933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 薫 明治薬科大学, 生薬学教室, 助手
小山 清隆 明治薬科大学, 生薬学教室, 講師
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Keywords | 鎮吐作用 / 半夏 / 枳ぐ子 / 厚朴 / 楊梅皮 / 高速クロマトグラフィ- / myricitrin |
Research Abstract |
鎮吐作用をしめす生薬としてよく知られる半夏の活性成分については、すでにペクチン様物質であることを明らかにしている。今回は、他の生薬について、漢方書、本草書、民間伝承書及び植物誌を幅広く検索し、鎮吐活性を示すと思われる、漢薬、和薬及び民間薬20数種を選びだした。これらの生薬のうち、本年度は10数種について、メタノ-ル及び水エキスを作製し、検討を加えた。鎮吐活性スクリ-ニングは、半夏の鎮吐成分検索の際、開発した、硫酸銅ーアカガエル又はトノサマガエルの系を使用した。 枳ぐ子、烏薬、前胡、生姜、山豆根、石蒜、厚朴、麦門冬、楊梅皮、かっ香、柿蒂についてそれぞれメタノ-ル及び水エキスをつくり活性試験を行った。その結果、本年度は、活性の認められたもののうち、枳ぐ子、厚朴の水エキス、楊梅皮のメタノ-ルエキスについて検討することとした。これらの活性成分は、水又はメタノ-ルエキスに分れており、分画方法が適切であることを示した。枳ぐ子の水エキスについて、Sephadex Gー10カラムクロマトグラフィ-により分画し、いくつかの活性画分を得た。これらはいずれもフェノ-ル性化合物群であり、比較試験として、gallic acidにも弱い活性があることからその関連化合物の可能性もある。楊梅皮のメタノ-ルエキスについて、シリカゲルカラムクロマトグラフィ-を行い、さらに高速液体クロマトグラフィ-で精製し、myricitrinを活性成分の1つとして得た。この化合物と構造が類似しているフラボノイド配糖体quercetrinについても弱い活性が見られることは興味深い。厚朴についても同様の検討を加えたところ、フェノ-ル塩基に活性が認められたが、なお詳細は検討中である。他の生薬並びに新たにエキスをつくる生薬については、次年度検討することとした。
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