1990 Fiscal Year Annual Research Report
長期入院患者における真菌感染の実態調査と病棟管理について
Project/Area Number |
02671078
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
土井 まつ子 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 助手 (00155615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 新平 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 教授 (80023802)
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Keywords | カンジダ酵母 / 日和見感染 / 染色体DNA / パルスフィ-ルドゲル電気泳動 / 核型 / 感染原 / 白血病 |
Research Abstract |
本研究は、パルスフィ-ルド電気泳動法による染色体核型の解析を応用して、小児白血病児からカンジダ酵母を経時的に採取し、カンジダ感染の経路の解明と、その防御対策について検討しようとするものである。 本年度は、(1)入院患者から検出される病原カンジダ酵母の種の調査。(2)パルスフィ-ルド電気泳動によるカンジダ酵母の染色体の分離が得られる最適条件の決定。(3)小児白血病児とその家族、病室内空気中からカンジダ酵母を経時的に採取し実態を把握する。(4)検出されたカンジダ酵母の同定と電気泳動核型を調べることを計画した。 これまでの進行状況及び結果 (1)入院患者から分離されたカンジダ酵母は、Candida albicans Candida glabrata Candida tropicalisの順によく検出され、Candida albicansは全体の73%を占めていた。(2)パルスフィ-ルド電気泳動法によるカンジダ酵母の染色体を分離する泳動条件、すなわち電圧、パルス時間、泳動時間を詳細に検討し、全ての染色体DNAをバンドとして分離できる最適な条件を決定した。さらに、検出されたCandida albicansを制限酵素で処理した後に、電気泳動を行うことにより、非常によく類似した電気泳動核型についても菌株を区別できることを確認した。(3)小児白血病児5名と、患児によく接する家族、及び病室内の空気中から、約6か月間にわたり、経時的にカンジダ酵母を採取した。現在、種の同定とともに、電気泳動核型について解析を行っている。なお、これらの研究結果は、1990年7月の酵母遺伝学集談会、及び、同年11月の細菌学会中部支部総会において発表した。発表の要旨は、主要な病原カンジダ酵母の染色体DNAの、電気泳動による分離条件の検討と、それらの酵母の染色体DNAの分子サイズや、核型の解析についての基礎的検討である。
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Research Products
(1 results)