1991 Fiscal Year Annual Research Report
立体電極配列法電気探査による地下情報抽出の高信頼化に関する研究
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02805077
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菅野 強 京都大学, 工学部, 講師 (60026151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 俊樹 京都大学, 工学部, 助手 (50210935)
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Keywords | 立体電極配列法 / 高密度モデリング / 3次元構造 / 地下比抵抗画像 / 初期値の設定 / 感度解析 / 擬似情報 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画の重点3項目について,それぞれの研究実績の概要について当該当年のまとめを行う。 (1)高密度モデリング技術の適用性の検討 前年度実施した三ツの研究項目のなかで,第二の項目であった「高密度モデリング技術の確立」について,その適用性の検討がなお不十分であったのが,数種類の3次元構造に対して計算を行い,それぞれの解析結果から評価を行った。ポ-ル・ポ-ル方式の電極配列よりもダイポ-ル・ダイポ-ル方式の電極配列の方が,より実際的な地下構造の検出に有効であることが明らかになり,モデリングの適用性に判断を与えた。 (2)現地デ-タからの地下比抵抗断面形成と,解析情報の解釈方式の決定に関する研究 現地測定結果から地下比低抗断面の形成を行うに際し,より適切な解析構造の初期値の設定が極めて重要である。坑井関あるいは地表ー坑井間方式によって形成された地下比抵抗画像が,果してどの程度現地条件に調和しているか,について,等価構造やAIC情報量規準などを用いて評価を行い,その成果を上げた。 (3)立体電極配列法電気探査技術の高精度化とその評価 現地において得た測定比抵抗値は,一般に構造が3次元的に不連続,不均質であることから,そのままではあくまでも見掛比抵抗である。比抵抗トモグラフィ出力画像も,真の比抵抗分布と一致しない限り厳密には擬似情報と言える。立体電極配列法では順感度および逆感度特性がかなり明瞭に現れることから,綿密な感度解析による復数立体電極配列や坑井(あるいはボ-リング孔やトンネル)間の擬似断面法を開発し,一点表示のみならず複数(多)点表示による立体電極配列比抵抗擬似断面を作成する画期的な成果を上げた。
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[Publications] 菅野 強: "電気探査による地下情報可視化とその評価" 可視化情報. 11. 103-110 (1991)
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[Publications] 菅野 強: "立体電極配列法電気探査の基礎概念" 物理探査. 44. 27-40 (1991)
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[Publications] 菅野 強,岸本 宗丸,南 博志,佐々 完一: "地下情報計測によける不均質環境効果とその評価に関する基礎的研究" 水曜会誌. 21. 497-505 (1991)
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[Publications] Tsuyoshi SUGANO: "Evaluation of Reliability in Computerized Geotomographic Image Model Selection by Electrical Methods" Memoirs of the Faculty of Eng,Kyoto Univ.53. 72-92 (1991)