1991 Fiscal Year Annual Research Report
イムノバインド法を応用した家禽マイコプラズマ病診断用キットの開発研究
Project/Area Number |
02806057
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Research Institution | Miyazaki University |
Principal Investigator |
清水 高正 宮崎大学, 農学部, 教授 (10040825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永友 寛司 宮崎大学, 農学部, 助教授 (10041063)
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Keywords | イムノバインド法 / 血清学的検査 / 家禽マイコプラズマ / 診断用キット / 抗体 |
Research Abstract |
研究目的:鶏のmycoplasma gallisepticum(以下MG)及びM.synoviae(MS)による感染症の血清診断法として、現在常用されている急速凝集反応は、非特異反応が多く信頼性に乏しい。また、特異性に富む血珠凝集阻止(HI)反応は、抗原の作成が困難な上市販されておらず、手技も複雑なため、養鶏場のレベルでは常用されていない。そこで、免疫結合(以下IB)反応を応用した簡便な血清診断法を確立し、診断用キットの市販化を促すことを目的として、今回の研究を実施した。 研究材料と方法:市販のセルロ-ス膜2種と、プラスチック製血液検査用プレ-ト(以上単にプレ-ト)を用い、抗原付着法、ブロッキング、洗浄法などの手技を種々検討した。また、MG及びMSを実験感染させたSPF鶏の経時採取血清並びに野外飼育鶏の血清を対象に、IB法とHI法による感染抗体価の比較を実施した。 成績と考察:抗原の担体として、プレ-トが抗原の固着、洗浄、取り扱い操作などの点で、膜片よりも便利であるが、Durapore膜上の発色斑が半永久的に保存できるのに対し、ブレ-ト上に生じた発色斑は、2週間程度で衵色するので、保存には不適当であることが判明した。IB法はHI反応に比べて感度が高く、正常血清も1:20程度まで非特異反応を呈するものがみられた。IB反応で1:40以上を陽性と判定した場合、MGまたはMSを実験感染させた鶏の血中抗体は1週間後から10羽全例に高い値で検出された。これに対し、HI法では、全例が1:10以上の抗体値を呈したのは2週間後であった。野外鶏の血清検査では、HI反応で陰性の例にIB抗体陽性のものが認められたが、この逆は希であった。本法用抗原・試薬のキット化は野外での抗体検査に有用と考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shimizu,T.,et al.: "Detection of serum antibodies against Mycoplasma gallisepticum and Mycoplasma synoviae by a dotーimmunobinding technique." Japanese Journal of Veterinary Science. 52. 191-197 (1990)
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[Publications] Shimizu,T.and Nagatomo,H.: "Simultaneous detection of serum antibodies against Mycoplasma gallisepticum and M.synoviae by a dotーimmunobinding on a durapore paper." Zentralblatt fur Bakteriologie. 880-882 (1990)